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言論の自由か、誹謗中傷か。NHK党・立花孝志党首を逮捕

言論の自由か、誹謗中傷か。NHK党・立花孝志党首を逮捕

NHKから国民を守る党の立花孝志党首が、元兵庫県議の名誉を毀損した疑いで逮捕されました。11月10日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、光山雄一朗とCBC論説室の石塚元章特別解説委員が、今回の逮捕の背景と今後の展開について解説しました。

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虚偽発言が問題に

立花容疑者は昨年12月、自身が立候補した選挙の街頭演説で、元兵庫県議の竹内英明氏について「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」などと発言し、名誉を毀損した疑いが持たれています。

竹内氏は今年1月に亡くなりましたが、立花容疑者はその後も「どうも明日逮捕される予定だった」などの嘘の情報を投稿し、竹内氏の名誉を毀損した疑いも持たれています。

竹内氏は兵庫県議として、内部告発文書問題を調査する特別調査委員会(百条委員会)の委員を務めていました。

昨年の兵庫県知事選挙に関連してSNSなどによる誹謗中傷に悩み、昨年11月に議員を辞職。今年1月に自宅で死亡しました。自殺とみられています。

「言論の自由を超えている」

石塚「大変けしからんことをやってきたと思っているので、当然というか、然るべき罰則を受けても仕方がないのかなという風に思います」

立花容疑者はこれまでも、兵庫県知事選挙で現職知事にパワハラ問題が起きた際、その事実はなかったと主張するためだけに自ら立候補する「2馬力選挙」を行なうなど、特異な政治活動を展開してきました。

自分は当選しなくてもいいと言って、現職知事の応援をするという手法について、石塚は「やっていることは、はっきりいって無茶苦茶」と指摘します。

最近では、静岡県伊東市の市長選挙にも立候補を表明していました。

石塚「人ひとりが命を失ってるわけですから、厳しく追及してもらいたい。言論の自由の域を超えていると思う。単なるいやがらせとか、そういう次元のものだと思います」

異例の逮捕、2つのポイント

今回の逮捕には2つの特徴的なポイントがあります。

まず、亡くなった方に対する名誉毀損での逮捕であるということ。これは珍しいケースです。

石塚「名誉を傷つけたのは生きていらっしゃる時だし、それが元になって命をなくしたという問題がある。亡くなった方に対する名誉毀損というのは確かに珍しいかもしれないけれども、亡くなった後にもその人の名誉は大事という発想はあると思います」

もうひとつのポイントは、被害者が県議会議員、つまり公人であること。一般的に公人に対する名誉毀損のハードルは高いとされていますが、それでも逮捕に至ったのは、かなり悪質な事例だったことを示しています。

実刑の可能性も

立花容疑者は、NHKの契約者の個人情報を不正に入手してインターネットに投稿した罪などで、懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が2023年に確定。4年の執行猶予期間中にまた事件を起こしたことになります。

石塚「執行猶予をもらっているのにまたやりましたねということになると、実刑になる確率は極めて高い。今度は刑務所にお入りいただくという可能性が非常に高いということだと思います」

言論の自由と誹謗中傷の境界線、そしてSNS時代における政治活動のあり方について、改めて考えさせられる事件です。
(minto)
 

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