なぜ黄色?何を点検していたの?「ドクターイエロー」のあれこれ
今年1月、東海道・山陽新幹線で四半世紀にわたって新幹線の安全を守り続けた点検車両「ドクターイエロー」が引退しました。11月3日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、JR東海 リニア・鉄道館の松井さんにドクターイエローについて尋ねます。聞き手は光山雄一朗アナウンサーと三浦優奈です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く新幹線のお医者さん
「ドクターイエロー」の正式名称は「新幹線電気軌道総合試験車」。
新幹線の線路や電気設備などの状態を点検しながら走行する車両で、速度を落とさずにデータを取得できるのが特徴です。
「新幹線の健康状態をチェックする“お医者さん”のような存在」と話す松井さん。
運行時刻が公開されていないため、「見られたらラッキー」とも言われ、多くのファンが予想を立てて撮影に出かけていたそうです。
黄色の理由
光山「なぜ黄色なんですか?」
松井さんによると、新幹線の補修用メンテナンスを行なう作業車は夜間走行が主のため、その視認性を高めるために黄色が採用された歴史があるとのこと。
また乗客が間違えて乗り込まないように、との配慮もあったそう。
あの鮮やかな黄色には安全と区別の意図があったようです。
走りながら点検する技術
具体的に、ドクターイエローは走りながらどのようなことをチェックしているのでしょうか?
松井さんによると、線路の歪みや電線の摩耗具合、信号の通信状態など、新幹線の安全走行に関わるあらゆるデータを測定しているそうです。
取得したデータは処理され、修繕計画や次回走行時の改善確認に活用されます。
まさに新幹線の安全を支える縁の下の力持ちです。
引退理由と次世代へのバトン
ドクターイエローが引退した理由について、松井さんは「老朽化」と話します。
2000年の登場から約25年間にわたり、東海道・山陽新幹線の安全と安定運行を支えてきました。
現在は、その機能の一部が最新型「N700S」に搭載されており、今後はすべての機能をN700Sが引き継ぐ予定だといいます。
これに対し「乗客を乗せながら点検しているってことなんですか?」と驚く光山。
時代とともに点検の形も進化しています。
ドクターイエローの使命が次世代へ受け継がれて、またさらに次へと歴史を紡いでいくのでしょう。
(ランチョンマット先輩)
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