誰でも跳人になれる!100万人が集う青森ねぶた祭りの知られざる魅力を大公開

日本を代表する夏祭りのひとつ、青森ねぶた祭りが8月2日から7日まで開催されています。東北の短い夏を彩るこの祭りは、地元の人々はもちろん、全国から訪れる観光客を魅了し続けています。8月4日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、青森市経済部観光課ねぶたプロモーション室室長の柿崎淳さんに、祭りの魅力と制作の裏側について伺いました。
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国の重要無形民俗文化財に指定されている青森ねぶた祭り。期間中は100万人を超える観光客で賑わいます。
歴史や神話を題材にした勇壮華麗なねぶたの山車が、夜空に響く「ねぶた囃子」に合わせて、華やかな衣装をまとった「跳人(ハネト)」と呼ばれる踊り手と一体となって、青森市内を練り歩きます。
「ねぶた」の語源は諸説ありますが、七夕祭りに津軽地方の習俗が一体化して変化し、現在のねぶたになったとされています。また、七夕祭りの中にあった「ねぶり流し」が転訛したという説もあるそうです。
1年かけて作る巨大ねぶた
ねぶたの山車は幅約9メートル、高さ5メートル、奥行き7メートル、重さ約4トンという巨大なものです。
祭り本番では23台の大型ねぶたが運行。1台につき約20人が回転させたり前後にうねらせたりして躍動感を演出しながら、3キロの運行コースを進んでいきます。
ねぶたを制作する専門家「ねぶた師」は、現在16~17人ほど。ある意味アーティストのような存在だといいます。
ねぶた師は祭りが終わるとすぐに翌年のデザイン構想を始め、下絵と呼ばれる設計図を作成。その下絵を基に、木材や針金、糸を組み合わせて立体的な骨組みを作り、その上に和紙を貼り、墨で輪郭や顔を描いて武者絵を再現します。
内部には電球やLEDを設置し、夜に光らせる仕組み。構想から完成まで約1年かかるそうです。
誰でも参加できるオープンな祭り
祭りを盛り上げるために欠かせない「ねぶた囃子」は、太鼓と笛、鉦(かね)で構成される迫力ある演奏です。
この囃子に合わせて「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声とともに跳ねる「跳人」には、浴衣にたすきといった決められた衣装をまとい、ルールを守れば誰でも参加できるそうです。跳ね方も「けんけんするような感じ」と簡単なため、観光客も気軽に祭りに加わることができます。
柿崎さんは「みんなで一緒に祭りを盛り上げていくという、非常にオープンな祭りというのがねぶた祭りのひとつの魅力」と語りました。
今年は、青森港が開港して400年を迎えることから、開港当時の弘前藩の人物を題材にした作品が多く見られるそうです。
青森の街は現在「ねぶた祭り一色」になっているとのこと。日によって山車の台数は異なりますが、5日からは23団体すべての山車が運行され、最高潮の盛り上がりを見せます。
1年かけて制作された巨大な山車が、伝統の囃子と跳人たちの熱気とともに青森の夜を彩ります。
(minto)
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