金魚有数の産地、奈良・大和郡山市で「マイスター制度」広まる

ここ数日ですっかり夏らしさを感じる気温になってしまいました。夏祭りで見かける「金魚すくい」ですが、金魚の養殖で有名な奈良県大和郡山市では、金魚を飼う文化を広める取り組みが行われています。そのひとつが、金魚に関する豊富な知識を持つマイスターを養成するための塾の開講で、7月10日まで20名程度無料で募集しています。6月18日放送『CBCラジオ #プラス!』では、大和郡山市農業水産課の永村さんに金魚マイスターの活動内容について尋ねました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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奈良県大和郡山市は日本有数の金魚の産地で、金魚マイスターは金魚文化を次世代に引き継ぐため市民レベルで活動しています。
一番の活動は、市内外問わず学校に出向いて金魚養殖の歴史や金魚の飼い方などを面白く説明する金魚出前講座。
また、奈良は日本有数の観光地でもあるため、金魚マイスターさんに英語を覚えてもらい、奈良駅前に立って、大仏などを観にきた外国人観光客向けに金魚と大和郡山市をPRしています。
他には金魚をモチーフにした金魚和菓子や金魚飾り巻き寿司などを作るイベントなども行っています。
奈良で広まったきっかけ
昔は金魚すくいでもらってきた金魚を飼うことはよくありましたが、すごく大きくなるまで飼える子もいれば、すぐになくなってしまうこともあり、意外と金魚を飼うのは難しいというイメージがあります。
そこで、金魚マイスターさんからあらためて飼い方を学ぶと、金魚を育てることができるかもしれません。
永村さん「飼うといってもまずは水槽がないということから始まりまして、いろいろ問題がありますね」
そもそも、大和郡山で金魚の養殖が盛んになったきっかけは何でしょうか?
もともと金魚は中国から伝来したものですが、江戸時代に甲府のお殿様が大和郡山に来た時に金魚を伝えたことが始まりとされています。
らんちゅうなどは値段が高く、外国人も大和郡山で買って帰るそうです。
全国金魚すくい大会を開催
金魚マイスターの制度は11年前に始まりましたが、なるのはハードルが高くなく、年5回ある講義を受けるだけでなることができます。
講義の内容は金魚の基本的な飼い方や特徴的な病気、どのようなエサをあげれば良いのかといったことから、金魚の歴史や文化的価値といった座学はもちろんのこと、実際に生産している現場に行って学ぶこともあります。
最年少は当時16歳で、最年長は93歳の方と幅広い年齢の方がなっています。
業者さんもいらっしゃいますが、基本的には市民の方が多く、最近では全国から応募があるそうです。
同じく有名な産地に愛知県弥富市があり、そこではさまざまな種類の金魚が生産されていますが、大和郡山市では全国金魚すくい選手権大会が開かれているため、和金が60%を占めています。
金魚すくい大会には毎年大勢の人が参加し、なんと市内には金魚すくい道場というものがあり、そこに通うこどもさんがやはり強いそうです。
市民に根付いている金魚文化ですが、金魚マイスターさんが今後も市外へと広げていきそうです。
(岡本)
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