元横綱・白鵬が退職。いつかは相撲を国際競技にと夢語る

日本相撲協会は、史上最多の優勝45回を誇る元横綱・白鵬の宮城野親方が、今月9日付で退職すると発表しました。宮城野親方は関係者を通じて、「日本相撲協会の外の立場からその発展に協力していく」という立場を明らかにしたようです。6月3日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、この話題に対するリスナーの意見を、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。
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元幕内・北青鵬の暴力問題が原因で自らの部屋が閉鎖となっていた宮城野親方。昨年4月から弟子とともに伊勢ケ濱部屋に所属していました。
その後1年以上が過ぎても部屋再開の見通しが立たないことなどから、協会退職の意向を持っていたようです。
リスナーからはこんな投稿が寄せられました。
「退職届は以前から提出していたようですが、横綱・大の里誕生という慶事に水を差すなどの理由で受理されていませんでした。やはり協会との溝は深かったようです。
しかし人気者の退職が続きますね。若乃花や貴乃花、モンゴル勢ハワイ勢問わず枚挙にいとまがなく、指導部に何か問題があるのではないでしょうか?」(Aさん)
小高「豊昇龍、大の里を除いて11人の横綱の内、相撲界を離れたのは平成以降で6人ということで、ちょっと多いなという感じですよね」
それぞれの理由はあれど、それでも半分以上がこういった道を辿っているという事実があります。
「根本的な部分での協会の運営方針や考え方に何か問題はなかったのか、考える必要がありますよね」と続ける小高。
どんな人物だった?
そもそも宮城野親方、元横綱・白鵬とは一体どんな人物だったのでしょうか。
つボイ「現役時代優勝45回、数々の記録を打ち出しました。これだけ貢献した人は他にいませんよ」
小高「八百長疑惑とかで相撲界そのものの人気がものすごく下がっていた時に、頑張って相撲人気を引っ張っていってくれたのが彼ですよね」
優勝回数は歴代最多、通算1,187勝、横綱在位は84場所と、いずれも相撲史に残る記録です。さらに2010年の朝青龍引退後はひとりで相撲界を支えた功績もあります。
「白鵬は素行態度では批判を招いたこともありました。しかし長らくの間ひとり横綱として、日本相撲協会は白鵬におんぶにだっこだったはずです。協会は宮城野親方の退職には留意したと言っていますが、本当かなと思ってしまいます。なんか後味が悪いです」(Bさん)
日本の相撲界が揺れていた時期に光を灯したのは間違いなく白鵬でした。本来であれば誉を受けるべきのところを退職という結果となってしまい、相撲ファンは釈然としていない様子です。
健康管理にも疑問
日本相撲協会に対する意見の中には、こんなものもありました。
「素人が見ても、今の関取は大きくなりすぎて、自分の身体をコントロールできずに怪我が多すぎるのではないかと思います。年6場所以外に地方巡業もあって、大きな身体を休める時間が少ないのではないでしょうか?
協会は金儲け主義もほどほどにして、関取の健康管理にも目を向けて欲しいと相撲ファンとしては思います」(Cさん)
先ほど小高が呈したように、運営方針や考え方を見直したり、このままでよいのか一度立ち返ってみる必要があると感じている人は多いようです。
相撲の可能性
退職の運びとなった宮城野親方ですが、今後の方針についてはこう語っているようです。
「宮城野親方には国際的な相撲競技の組織を作って、世界的なプロリーグを運営していくという夢があるようです。『SUMO』と表記するようですが、伝統的な相撲がエンタテインメントの格闘技になるのは個人的にどうかなと思いますが、いかがでしょう」(Dさん)
つボイ「レスリングという伝統的なものから『プロレス』という競技を作って多くのファンの心を掴んだのと同じように、相撲を別の形で興行的に成功させるというのはあり得るかもしれない」
つボイがそう話すのには理由がありました。
つボイ「いま日本に外国人がたくさん来てるでしょ?相撲協会とは全く関係がないんですが、相撲を取らせたり、ちゃんこ鍋を提供したりする店が海外勢にものすごく人気なんです」
日本の伝統を気軽に体験できるとして、外国人旅行客に受けているようです。もしかしたらこういったブームをきっかけに、相撲はもっと大きな国際エンタテインメントへと発展していくのかもしれません。
(吉村)
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