介護認定までに2ヶ月?専門医が解説する現代の介護の課題

木曜日の『CBCラジオ #プラス!』では、スマートライフ生活や健康に役立つ情報を、多治見スマートクリニック代表の福田誠先生が紹介します。3月20日の放送では、少子高齢化によってより必要とされる介護の現場や課題をピックアップしました。聞き手は永岡歩アナウンサーと山本衿奈です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く普及しない介護休暇
「老老介護」という言葉があるように高齢の方々が支え合って生活している現状で、最近では介護を支えるヘルパーの人材不足も課題としてニュースで取り上げられています。
男女と高齢者の社会進出が広がっているからこそ、家の介護を支える人が不足していることも社会問題だと話す福田先生。
育児休暇は男女ともに取れる時代になってきましたが、介護休暇はまだまだ普及していません。
福田先生によると、介護は育児以上に体力も気力も使うそうです。
福田「育児は成長を感じることができるんですが、やはり介護は少しずつ時とともに衰えていくことを受け入れながら支えるという点では、よりレベルも敷居も高いと思います」
今の介護の課題
福田先生から見た介護の一番の課題は、介護認定までにかかる時間と認定を受けるタイミング。
例えば、自宅で生活してた高齢者が転んで腰の骨を骨折してしまって入院した場合。
そこから担当のケアマネージャーが決まり、患者がどの程度動けないかなど認定調査を受けてデータを整理し、介護保険審査委員会で審査され、介護の認定が下ります。
認定を受けるまでには最低でも1ヶ月、長いと2ヶ月以上かかるとのこと。
介護サービスを利用できるまで2ヶ月かかるとすると、それまで最適な施設に行けなかったり病院で長い時間過ごすことになってしまいます。
これが長期入院の原因にもなっており、医療費の増大にも影響を与えているということです。
山本「認定を受けている間に病状が変わることもあるんじゃないですか?」
腰の骨を骨折した場合、認定を受けるまでの期間で完治したのに、寝たきりの介護4が認定されることもあるとか。
また、癌などの病状が悪化して早く介護サービスを利用したいのに、1、2ヶ月の間に亡くなってしまうケースも。
福田「介護認定や修正のスピードを上げることは、医療と介護の問題を改善する大きなイノベーションになるとは思いますね」
介護に対する意識を高めよう
では、私たちが今すぐにできることとは一体なんでしょうか?
福田先生が提唱するのは、介護に対する意識を高めていくこと。
第三者から見たら自宅での生活がギリギリで、1回の転倒や体調の悪化で一気に介護になってしまいそうな家庭でも、「自分たちは大丈夫」と楽観視している人が多いそうです。
介護認定は特に初めて申請する時に、多くの資料やデータを集めるためより時間がかかります。
そのため、自分たちは関係ないと思わず、生活が困難になりそうだと感じたら、早めに地域のケアマネージャーや相談員と介護について相談することが大切です。
福田「まさに『転ばぬ先の杖』ならぬ、『転ばぬ先の介護相談』といったように思います」
あなたの家庭は本当に「大丈夫」ですか?
(ランチョンマット先輩)
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