先週入札が行われた政府の備蓄米について、落札した業者への引き渡しが18日から始まりました。これでようやく米の価格が落ち着くのかと思いきや、どうやらその見通しはまだ不明瞭なようです。3月19日放送のＣＢＣラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』には、下がる気配を見せない米の価格に憤りを感じるリスナーから投稿が寄せられました。つボイノリオと小高直子アナウンサーが、その理由にも触れながら紹介しています。

放出開始で期待高まるも…

米の価格は10週連続で値上がりが続き、史上最高値を更新しています。リスナーからも不満の声が寄せられました。

「お米の値段が去年の今頃と比べて倍以上になっています。しかも備蓄米の入札が済んだ途端、また値上がりしたのは一体どうなっているのでしょうか？このままでは値下がりどころか高止まりのままです」（Aさん）

つボイ「経済的に言えば、市場にモノがないから値段が上がっていくわけですよね。備蓄米が出てきたのに何で価格が上がるんや、ということですね」

小高「備蓄米が販売開始してから市場に効果が出るまでには時差があるでしょうから、今まだすぐには下がらないとは思いますが。じゃあしばらくすればガクンと下がるのかと言われれば、そうではないという見方の方が多いみたいですね」

つボイ「株の世界で言えば、日銀が今後どう動くのかという気配で上下するじゃないですか」

流通が末端まで行く行かないは別にしても、見通しがついた時点で多少なりとも価格に影響があって然るべきなのでは、という見立てのつボイ。
ただ、実際に店頭価格に表れるのはもう少し先になりそうです。

表記せず販売へ

令和の米騒動とも言われるこの状況に一石を投じるため、いよいよ始まった備蓄米の放出。ところがその表記に関して物議をかもしているようです。

「備蓄米の放出が始まりました。備蓄米だという表示はせずに複数の銘柄をブレンドして店頭に並べるそうですが、『備蓄米』と明記した方がわかりやすいような気がします」（Bさん）

「備蓄米を落札したJA全農は、卸売業者に『備蓄米』と表記しないように要請したそうです。今年になって袋詰めされたお米は新米として表記できないので、消費者には去年収穫された米なのか、それとももっと古い米なのかが区別できません。米の価格を下げる目的の備蓄米も安くなるとは思えません」（Cさん）

備蓄米だと知らずに購入して古米や古々米を食べたくないという意見や、反対に備蓄米を購入したいのに表記がないと不便だという意見もあるようです。

市場の安定のため

小高「理由としては備蓄米だと分かれば古米、古々米という理由で売れ残る、つまり消費行動に影響が出るからだと思われていますが、JAの見解は逆みたいです」

政府の備蓄米を落札したJA全農は、買い占めなどの混乱を防ぐため「備蓄米」と表示せずに販売するという方針を発表しています。

小高「備蓄米が出てきたことで消費者が群がっちゃうと、それもまた流通が円滑に進まなくなっちゃうので。放出後も押しなべて普段通りにお米を買ってくれればいいんだけど、また店頭から消えるようなことになっても困るから、ということですね」

今後の展開は読めない

そして気になるのはやはり、今後米の価格は下がるのかという点。

つボイ「私は備蓄米が出てきたらすぐ買いたいですよ、だって今まで高かったから。そうすると今までの高い値段で売っていた米が売れ残るわけですから、『なら値下げしようか』と下がってくるというのが私のシミュレーションです」

安い備蓄米が売れることで、米全体の価格も落ち着いてくるのではと予想するつボイ。

小高「ただ備蓄米の放出が、今後どういう風に消費者行動が結びついていくのかはちょっとまだわからないですけどね。はたして思惑通りに行くのか、流通が潤滑に進むかどうかもわからないですし」

つボイ「要は値段が高すぎるので、それを下げるのが目的でしょ？皆さんに十分に買ってもらえるという状況を作れば値段は下がるわけですから」

つボイの予見通り、備蓄米が市場に流れることによって全体の価格も落ち着くと良いのですが。備蓄米がどの程度市場に流通するかはまだ予想できません。ですが、むやみな買い占めだけはしないようにしましょう。
（吉村）