鳥取限定コーヒーチェーンが日本で唯一出店!岩手県「道の駅 高田松原」

毎週金曜日のCBCラジオ『ドラ魂キング』では、西村俊仁アナウンサーがおすすめの道の駅を紹介しています。3月14日の放送で紹介したのは、岩手県陸前高田市にある「道の駅 高田松原」です。ここには岩手県の道の駅にもかかわらず、鳥取県にしかないはずのある店舗があるとか。その背景には、東日本大震災からの復興の過程で結ばれた両県の絆がありました。聞き手は安藤渚七です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く復興への願いを込めて
「道の駅 高田松原」は青森から仙台までの東北の太平洋側を貫く大動脈、国道45号線沿いに位置しています。2011年の東日本大震災では津波によりここも大きな被害を受けました。
現在の道の駅は震災後に新しく建てられたものですが、被災した「旧道の駅 高田松原」も同じ敷地内に震災遺構として残されています。
西村「5階建てくらいの大きな建物なんですけど、津波が来た場所に跡がついています」
津波で7万本もの松の木がなぎ倒される中、唯一荒波に耐えてまっすぐ立ち残ったという「奇跡の一本松」からも近い場所にあり、震災の犠牲者への追悼と鎮魂、復興への強い意志を込めて整備された道の駅です。
「道の駅 高田松原」は、東京ドーム30個分という広大な面積を誇る「高田松原津波復興祈念公園」の中にあり、「国営追悼・祈念施設」および「東日本大震災津波伝承館」が併設されています。
伝承館には東日本大震災で影響を受けた車が展示されていたり、当時の街が再現されていたり、あるいは地震や津波のメカニズムがわかる展示があります。
鳥取限定珈琲店
三陸地方といえばやはり海産物。「道の駅 高田松原」は、日本で一番高値で取引されている「広田の牡蠣」をはじめ、帆立やわかめなどの豊かな海の幸をその場で購入できる、そして味わえる道の駅です。
そんな「道の駅 高田松原」で西村が注目したのは、ひときわ行列を作っているお店。
しかも、鳥取県でのみチェーン展開しているお店なのです。
安藤「え、だいぶ距離ありますよね?何か繋がりがあるの?」
西村「なんと珈琲店でした。いわゆるカフェ。店名を確認すると『すなば珈琲』と書いてありました」
この「すなば珈琲」は、鳥取県限定のコーヒーチェーン店。
以前、鳥取県が「日本で唯一スターバックスがない県」として話題になった時、平井県知事が「鳥取にはスタバはないけどスナバ(砂場)はある」と発言したことがきっかけで生まれたのが、この「すなば珈琲」です。
現在では鳥取県にもスターバックスが出店していますが、すなば珈琲は県内に9店舗と最も数の多いコーヒーチェーンとして、県民や観光客から親しまれています。
似たもの同士
そんな「すなば珈琲」が、なぜ岩手県に出店しているのでしょうか?
西村「実は陸前高田市の震災復興支援に、鳥取県は県全体を挙げて取り組んでいたんです」
実は両者の都市には意外な共通点がありました。
鳥取県といえば砂丘と松の木。そして陸前高田市にも、綺麗な砂浜と松の木があります。「道の駅 高田松原」の目の前にも美しい砂浜と海が広がっています。
西村「復興支援が終わる時に、『砂繋がりでこれからも仲良くしませんか』ということで2つの自治体の間に繋がりができたんです」
安藤「砂が結んだご縁だ!」
そんな経緯で「すなば珈琲」が出店することになったわけですが、今も他県には出店しておらず、鳥取県がいかに岩手県との絆を大切にしているかが窺えます。
コーヒーの背景に
西村「『震災の記憶は出来れば思い出したくない』という方もたくさんいらっしゃいますし、経験していない我々もできれば見たくない映像であったりとか、心がざわついてしまうような場面もあるかと思うんですけど。
それでも、この道の駅のように長く強くつながる絆も生まれた。そう思うと、一杯のコーヒーの味もまた変わってくるかもしれませんね」
「道の駅 高田松原」は三陸観光のゲートウェイとして、そして復興から未来への出発地点となるような、そんな希望にあふれた場所でもあるようでした。
(吉村)
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