1月27日、ＴＢＳラジオは、フリーアナウンサーの生島ヒロシさんがレギュラーを務める2番組の降板を発表しました。関係者へのハラスメント行為があったとのことです。中居正広さんとフジテレビの騒動をきっかけに、特にメディアにおける人権の尊重やリスク管理に対する意識が高まっている最中での出来事。28日放送のＣＢＣラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、塩見啓一アナウンサーと小高直子アナウンサーが、組織の中での人間関係とはどうあるべきなのかを考えます。

突然の降板に困惑

「ＣＢＣラジオでも放送されている『生島ヒロシのおはよう一直線』でおなじみの生島ヒロシさんが番組を降板することになったそうですね。前日まで普通に放送されており、突然のことでびっくりしています」（Aさん）

生島ヒロシさんの所属事務所では、番組降板とともに芸能活動の無期限自粛を発表しており、リスナーやファンからは困惑する声が上がっています。

ゴルフの練習へ行く時に毎朝聴いていたと話す塩見。「そんな様子なかったのに、普通に明るくやっていたのにどういうことなの？」と戸惑いを隠せない様子ですが、リスナーからも反響の投稿がありました。

「報道されるようなパワハラが繰り返されていたのなら残念です」（Bさん）

所属事務所の公式サイトでは、生島さんがラジオのスタッフに厳しい言葉を浴びせる、女性スタッフに不適切な画像を送信するなどのパワハラ・セクハラ行為をおこなっていたとのこと。

そのサイトでは、生島さん自身のコメントとして「ハラスメントに対する意識・認識が低く、猛省をしております。私の言動によりつらい思いをされた方には心からお詫びを申し上げます」と書かれています。

ベテランゆえに

「生島ヒロシさんの『おはよう一直線』をこよなく愛するリスナーです。番組が急になくなることになってとても寂しい思いをしています。つボイさんの番組は大丈夫でしょうか？」（Cさん）

この日番組を欠席していたつボイノリオを心配するCさんに対し、「つボイさんはこの点においては全然大丈夫です」と塩見。

塩見「どっちかというと、つボイさんが周りから怒られていることの方が多いです」

小高「絶大な権力とか全くないですからね（笑）」

その様子は、塩見が周りのスタッフに対して「そんなに怒らなくても」と思うほどだと言います。

小高「ちょっと間違ったこと言うと、CMの間に私や若いディレクターに𠮟りつけられてることがある。『ダメですそれは！やめてください！』って（笑）」

塩見「つボイさんが昔の基準で話したりすると、その後にたしなめられてるので。その点では安心ですよ」

価値観や物事の基準も、時代とともに常に変化していきます。
それに伴って考え方をアップデートしつつ、時にそれらにそぐわない発言・行為をしてしまっても、周囲が訂正してくれる環境が整っていれば大事にはならないのではないでしょうか。

ファンの気持ち

塩見「でも確かに、Cさんの言うとおり、ずっと聞いてた人としては『明日からないです』と言われても、気持ちの持って行き場がないですよね」

小高「中居さんにしても生島さんにしてもそうですけど。まったく罪のないリスナーさんやファンの方のショックを想像すると、そういった立場にいる人は、応援してくれている人たちが後ろにいるってことをきちんと考えないといけないと思います」

フジテレビの騒動の件で中居正広さんが引退を発表した際にも、SNSには動揺するファンの混乱、怒りや悲しみの声が多数投稿されました。

そんな気持ちを他者への俳諧中傷や非難といった形で発散したり、あるいは思い詰めるあまり体調を崩すなど、社会問題としてクローズアップされるようになっています。

「NO」と言える関係

「大きな問題になる前に、いかに本人に気付かせるかが大事だと思います」（Dさん）

塩見「確かに、今回いきなりレッドカードで退場だったわけじゃないですか。でもその前にイエローカードで警告とか、もっと何かなかったのかなって思いますけどね」

小高「やっぱりそういうことをちゃんと言える環境を作っていくのが大事で。そうやって『これはダメだったよね、ごめんね』っていう話ができる雰囲気が大切なのかなって」

組織に所属していると、上下関係や縦の人間関係は必ずあるもの。こればかりは否定できません。

塩見「でもハラスメントはダメ。でもその前にコミュニケーションをとって、どこがダメなのかを話して納得してもらう。その関係性を築くことからだよね」

小高「こういうのって会社だけじゃなくて、親子間とか夫婦間とかでも結局同じなのかなって気がします」

今後、ハラスメントに対する世間の目が厳しくなることが予想される中で、組織の在り方や人権への考え方についてもいま一度考えさせられることになりそうです。
（吉村）