月山の雪解け水で「ととのう」?山形県西川町の新たな挑戦
山形県の中央部に位置する西川町は、夏スキーが楽しめることで知られる月山の麓にあります。そんな西川町には「かせぐ課サウナ係」というユニークな部署が設置されています。一体どんな活動をしているのでしょうか?12月9日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、西川町役場の鈴木悠史さんから話を伺いました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く超軟水!天然の低温水風呂
昨年10月、町全体でサウナを活用して“稼ぐ”ことを推進する部署「かせぐ課準備室サウナ推進係」が発足しました。町外や県外からの来訪者を増やし、地域全体の活性化を目指しています。
西川町は、月山の雪解け水や湧き水が豊富な地域。この恵まれた水資源を観光に活かし、地域を盛り上げようと始まったのがサウナを中心とした町おこしです。
近年のサウナブームでは、「水風呂」が非常に注目されています。西川町の水は硬度23度の超軟水なので、肌の弱い方でも安心して利用できるそうです。
水を冷やす専用の機械を使わずに、夏は13℃、冬はシングル(1桁台)の温度になる天然の低温が特徴。サウナ好きにとっては理想的な環境です。
官民連携で進めるサウナ町おこし
昨年4月、町の第3セクターが運営する日帰り入浴施設「水沢温泉館」のサウナを、約2億円かけてリフォームしました。
流行りのセルフロウリュや、雪解け水を使った水風呂、外気浴スペースにはリクライニングチェアを設置するなど、充実した施設です。
「かせぐ課準備室サウナ推進係」では、町単体ではなく官民連携でチームを結成し、「ととのうなら西川」というキャッチコピーを作成。町全体で一体化した広報活動を展開しています。
昨年度は「移動式トレーラーサウナ」を活用したイベントを開催し、西川町をサウナの街としてPRする取り組みを進めているそうです。
町外からの利用急増!
サウナをリフォームした後、「水沢温泉館」の来館者数は6万2,000人から9万1,000人に増加しました。温泉の入浴者数は変わらないため、増加した3万人はサウナを目当てに訪れた方々です。
特に町外からの利用が増え、仙台や関東、静岡、さらには長崎など、遠方からの来館者も多いそうです。やはり、「ととのうなら西川」のPR効果はかなり大きいようです。
サウナとさまざまな事業を組み合わせた取り組みも進めていて、冬に月山志津地区で開催される祭り「雪旅籠(ゆきはたご)」では、トレーラーサウナやバレル型サウナ、テントサウナなどを設置し、「サウナ村」としてイベントを実施しているそうです。
全国3位の熱波師も!西川町の魅力
実は鈴木さんは昨年10月に西川町役場の職員として働き始めたばかり。それまでは民間企業に勤めていました。役場の友人から「サウナの新しい係ができるよ」と聞き、興味を持ったのがきっかけだそうです。
「鈴木さんは、“超サウナー”だったということですか?」と尋ねる三浦優奈に、「いやいや、奥が深い世界ですので」と謙虚に答える鈴木さん。
最後に、鈴木さんから西川町のサウナの魅力を語ってもらいます。
「西川町は大変な豪雪地帯で、月山の雪解け水など水資源が豊富です。観光資源を活用し、町全体でサウナ施設をリニューアルしました。サウナーにとって欠かせない水風呂も軟水でおすすめです。昨年から全国3位の熱波師によるロウリュサービスを提供し、熱い熱波を浴びた後にキンキンに冷えた水風呂を楽しんでいただける施設もございます」
西川町の魅力が詰まった素敵なPRでした。
(minto)