なぜ若者は「国民民主党」を選んだのか?原田曜平が読む時代の潮流
『カトリーナの全部全力!』(CBCラジオ)、トレンド学園の生徒会長・カトリーナこと加藤里奈が、今流行りのモノやコトをわかりやすく伝える「はやり~な」のコーナー。11月16日の放送には、マーケティングアナリストでトレンド学園の学園長でもある原田曜平さんが登場。先月の衆院選で顕著に見られた「国民民主党はなぜ若者から人気なのか?」をテーマに解説しました。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く大多数は「投票に行かない層」
先の衆議院議員選挙の出口調査から、20代・30代の投票者が最も支持した政党は「国民民主党」であることが明らかになりました。
20代は国民民主党への投票が約26%、自民党への投票が19%。30代はそれぞれ22%、20%と、大政党である自民党よりも上回る結果でした。
原田「『うわー若い人が国民民主党に熱狂してるぞ!』という一部メディア報道も見られるというのが、まず前提としてあります」
しかし実際のところ、若者の「選挙離れ」と「政治離れ」は、何十年も前から続いているのが現状。
「国民民主党」が若者人気を獲得したことは事実ですが、そもそも大多数は「投票に行かない層」なのです。
原田「いろいろな大学生に調査したんですが、残念ながら選挙があったことすら知らなかった人たちがマジョリティです」
スマホ時代の情報格差
その理由について、「簡単な話」と原田さん。
原田「スマホはアルゴリズムでターゲティングされちゃうから、選挙情報なんて本当に興味のない人には出てこないわけですよ」
例えばK-POPのNewJeansが好きな人のスマホには、NewJeans関連の情報ばかりが出てくるようになる、ということです。
原田「知らない人は全然知らなくて、むしろそっちがマジョリティ。大人の人たちは勝手に若者のムーブメントを期待して、あまり盛り上がらない方がいいってのがまず前提のひとつ目です」
若者を動かした「103万の壁」問題
その上で若者たちに国民民主党へ投票した人が多かった理由は、やはり連日報道されている「103万の壁」です。
原田「特に大学生がバイトをするのに、『親の扶養から外れないために。103万超えちゃうから、バイトやめよう』って日々やってきたから」
「103円の壁の見直し」という言葉が、この層にかなり刺さったということです。
若い人たちが政治離れしてるのは確かですが、彼らに刺さる政策を大政党でも出せば、票を獲得できるはずです。
SNS時代の選挙戦略
もうひとつの理由は、国民民主党が他の政党に比べて「SNSの使い方が上手だった」ということ。
切り抜き専門のチームが「TikTok」や「YouTube」のショート動画にアップしたことで、若い層まで政策が届きました。
さらに、「ReHacQ−リハック−」や「NewsPicks(ニューズピックス)」で、堀江貴文さんやひろゆきさんといった若者に人気のインフルエンサーとの対談を行ない、これが数多く切り抜き動画として拡散されたことも一因です。
Z世代に響いた「選挙マッチング」
そんな中、原田さんが考える最大の要因は、流行りの「パーソナル診断」を使った若者が多かったということ。いわゆる「選挙マッチング」です。
Z世代は「パーソナルカラー診断」「髪質診断」「骨格診断」など、パーソナル診断に親しんでいて、この文化が「選挙マッチング」に見事にはまったといえます。
原田「つまり国民民主党の力だけとは言えなくて、『選挙ドットコム』などで自分がしてほしい政策を入れて診断していくと、結局、国民民主党に行きついた若者が多かった、以上。という話です」
フェイクニュースを含む情報が増えすぎたことで、政治診断アプリやサイトがかなり機能したのではないか。原田さんは取材からこう感じたそうです。
(minto)