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横山剣が激白!CKBの新譜『火星』ラストのバラードが生まれた理由

横山剣が激白!CKBの新譜『火星』ラストのバラードが生まれた理由

11月10日、クレイジーケンバンドの横山剣さんがCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)に出演しました。9月18日にリリースされたニューアルバム『火星』を中心に、横山さんが自身の美学を語ります。

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毎年フルアルバムを出す活力

横山さんと小堀、まずはルートビアで乾杯。

小堀「ルートビアはどんなもんかなあと思っている皆さん、歯を磨きながらコーラを飲んでいると思っていただければいいかと思います。病み付きになりますねえ」

横山「最初はかなりショックだったんですけど、慣れてくると病み付きになります」

クレイジーケンバンドは、9月18日に通算24枚目のフルアルバム 『火星』をリリースしました。毎年フルアルバムを出し続けるクレイジーケンバンド。横山さん曰く「出てきちゃう」そうです。

「曲は運転中に浮かぶことが多い」という横山さんですが、安全な場所に停めた途端に忘れてしまうこともあるそうです。

横山「忘れた曲は大したことないやって思うしかないですね」

小堀「それはそれで、どっかに潜っててひょっこり出てくるかもしれない」

横山「おっしゃる通り。アハ体験みたいで『あ、出た』ってなる時があります」

いい塩梅の匙加減

最近クレイジーケンバンドでは、ベーシストでクリエイターのgurasanpark(グラサンパーク)さんがプロデュースを務めています。
「バンドに新しい血を入れ、クレイジーケンバンドの伸び代を延長させてくれた」と評する横山さん。

小堀「よくあるのが、昔からのファンで『CKBはそんなんじゃない』という意見。でもパーク君のさじ加減は『そうそう』と頷いてしまうんです」

横山「むしろ新しいものを加えたと言うより、引き出してくれる感じなので、それで違和感がないのかもしれないですね」

ジャケットのイメージは?

小堀「毎回話題になりますが、ジャケット写真がむちゃくちゃカッコいいですね」

ジャケットはモノクロ。ジャガーEタイプを、真正面のフェンダーの位置からドーンと広角で捉え、運転席の横にトレンチコートを着て立つ横山さんが写っており、赤字で「クレイジーケンバンド 火星」と入っています。

横山「天知茂さん的な、絶滅危惧種のおじさんが昭和から令和にワープして、マッチングアプリをしたら若い女の子にすっぽかされて、それでもカッコつけてる。実は可愛そうなイメージのジャケットです」

ちなみにジャガーもコートも借りものだそうです。

火星への疑問

小堀「1曲目から聞きますと、カウントが始まって飛んでいくみたいなデヴィッド・ボウイ『スペイス・オディティ』の感じがありますね」

横山「そういうイメージです」

小堀「シューって飛んでいくと、序曲もあって『火星』が始まってくる。もう混沌のクレイジーケンバンドワールドです」

ちなみにアルバムタイトルの『火星』は、横浜の京浜工業地帯にあった焼肉屋さんから取ったそうです。
今は閉店してしまったこの店、ネオンがスペーシーなムードを醸し出していたんだとか。


横山「閉店してショックで。そのタイミングが、アルバムタイトルやツアータイトルを決めなきゃいけないタイミングだったんで、メモリアルとして店名を刻みました」

焼肉屋さんへのオマージュとなるアルバムタイトル。しかし、なぜ店名が『火星』だったのでしょうか?

横山「なんでだろう?とずーっと思いながら、店主さんに聞こうと思って、聞く間もなくなくなってしまった。何を考えて『火星』になったんだろう(笑)」

最後の曲に心を掴まれる

小堀「一番最後の『Sha na na na na』。これ聴いた時に、キューンと掴まれました」

クレイジーケンバンドには、ありそうでなかった歌い上げるバラード。

横山「ありがとうございます。すごく思い入れの強い曲です」

小堀が最初に聴いた時は、離れてしまった友の消息を気にして呼びかけている人のイメージが浮かんだそうです。

実は、亡くなった横山さんの愛犬、チワワのチャドちゃんへ呼びかけた曲だったのです。

小堀「それを思ってもう1回聴くと鼻の奥がツーンとしてきます。うちも去年暮れに、長年いたワンコが亡くなったんです」

横山「あれは、なかなか来ちゃいますね」

小堀「他の悲しさとまた違うものがあります」

横山「そうなんですよね。その気持ちが歌詞というよりはメロディーになった感じですね」

やせ我慢も美学

小堀「剣さんは本当の大人の色気。しかもエロとかスケベじゃなくて品のいい色気がある。大事ですよね」

横山「こどもの時に、よくフランス映画やってたんですね。ああいう甘酸っぱい気持ちみたいなのが、早く大人になりたいと思わせるような感じでした」

横山さんが観たというフランス映画は、クロード・ルルーシュ監督『男と女』(1966年)、ロジェ・ヴァディム監督『危険な関係』(1959年)。アメリカ映画ではヘンリー・キング監督『慕情』(1955年)の名前が挙がりました。

小堀「しかもあの時代の大人のセクシーさは、今のむき出しの欲望じゃなくて、どっか我慢もあるんですよね」

横山「だから余計にカッコいいですよね。やせ我慢も美学です」

元キーに戻せた

現在ホールツアー中のクレイジーケンバンド。ステージでは昭和歌謡のカバーも披露しているとか。
横山さんが歌うのは新御三家の西城秀樹さん、郷ひろみさん、野口五郎さんのうちの誰かの曲なんだとか。

小堀「思えば昭和歌謡は名曲の宝庫ですもんね」

横山「有名無名関係なく、いまだに掘っても掘っても出てきますね」

毎年フルアルバムを出し、全国ツアーをする横山さん。実は声帯はあまり強くなく、喉を潰すこともあり、ネブライザー(吸入器)を使うこともあると言います。
キーを落として「タイガー&ドラゴン」を歌っている時期もあったものの、現在は元のキーに戻せたそうです。

小堀「これはすごいことですよ。ボイストレーニングとか行かれるんですか?」

横山「大声出せる場所が車の中ぐらいなんで、車の中で自己流です。ちゃんとしたボイストレーナーにかかったりはしないですね」

アナウンス人生50年の小堀も驚く横山さんの声帯でした。
(尾関)
 

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