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アメリカ大統領選挙の投開票、集計に時間がかかる理由

アメリカ大統領選挙の投開票、集計に時間がかかる理由

5日、アメリカ大統領選挙の投開票が行われました。前評判では女性初の大統領をめざす民主党のハリス副大統領か、返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領か、支持率がかなり拮抗していて、史上まれにみる大接戦と言われていましたが、日本時間の6日夕方にはトランプ前大統領が勝利宣言、その後ハリス氏が敗北を認めました。米フロリダ大学の集計によれば、8千2百万人以上が郵便を含む期日前投票を済ませているそうで、ニューヨークタイムズは大勢の判明には数日かかる可能性があると報じていました。11月6日放送『CBCラジオ #プラス!』では、あらためてアメリカ大統領のしくみなどについて、ジャーナリストの北辻利寿さんが解説しました。

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大統領選挙の仕組み

アメリカ大統領選挙の投票日は4年に1度、11月第1週月曜の翌日の火曜日と、150年以上前に制定されています。

有権者は事前に登録した18歳以上のアメリカ国民で、全部票数をまとめて多いほうが勝ちというわけではなく、州ごとに集計をしてそれぞれ勝ち負けを決めるしくみとなっています。

そのため集計が遅い州があると、全体の結果がわかることが遅くなる場合があります。

激戦が予想される7州のうち、東部ペンシルベニア州と中西部のウィスコンシン州は規定により、投開票当日まで郵便投票の開封は着手できないことになっているため、開票作業に時間がかかります。

また、郵便投票で投票日の消印まで認めているネバダ州は、結果の判明に5日以上かかる可能性があります。

最終日の演説

州によって票数の多い少ないがありますが、特にペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の3州が激戦区で、ここが重要といわれています。

2016年はトランプ前大統領が3州すべてを制し、2020年はバイデン大統領がやはり3州とも勝っています。

そのため、ハリス氏は最終日の演説をペンシルベニア州で集中的に行ない、最後の集会は映画『ロッキー』の舞台で有名なフィラデルフィア美術館の階段前で、「劣勢を跳ね返して勝利を手にした人々を象徴する」と説明し、支持者を中心に盛り上がり、その中にレディー・ガガさんも参加していたそうです。

トランプ氏もペンシルベニア州とミシガン州を精力的に回り、労働者層へ向けて減税や残業代・チップの非課税などの公約を掲げ、「アメリカンドリームを取り戻す!」と訴えました。

「私たちは大差をつけているが、私たちの国を取り戻すために投票所に行ってもらう必要がある」と、どちらの陣営も力強い言葉が並びました。

1ヶ月以上かかったケースも

過去の選挙ではだいたい選挙当日の夜遅くや翌日の早い時間に決まっていましたが、もし僅差だった場合、先程にあった理由以外にさらに時間がかかる理由があります。

大きな州では選挙結果が0.5ポイント以下の僅差となった場合、再集計となってしまいます。

2000年にブッシュ元大統領とゴア氏が戦った際は、11月7日に選挙があったのに対し、結果が判明したのはなんと12月12日。

今回は予想に反して選挙結果がわかるのにそこまで時間がかかりませんでしたが、結果が判明してすぐにアメリカの株価に影響を及ぼしました。

選挙結果は日本の経済にも大きな影響を及ぼす可能性があり、しばらくは注目しなければならない状況となっています。
(岡本)
 

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