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国内最大のツルの越冬地が、鹿児島県出水市である理由。

国内最大のツルの越冬地が、鹿児島県出水市である理由。

『CBCラジオ #プラス!』の「日本全国にプラス」では今、全国に起っている話題を取り上げます。11月5日放送のテーマは「ツル(鶴)」です。鹿児島県の出水市は国内最大のツルの越冬地として知られています。10月18日に今シーズン初となるツルの飛来が確認されました。なぜツルが出水市で越冬するのでしょうか?光山雄一朗アナウンサーとアディーレ法律事務所弁護士の正木裕美先生が出水市「ツル博物館クレインパークいずみ」館長の堀昌伸さんに伺いました。

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なぜ出水市にツルが来る?

ツル博物館とはどんな場所なのでしょうか?

堀館長「世界でここだけですが、ツルに特化した博物館です。ツルの生態を学ぶことができます」

国内最大のツルの越冬地という出水市はどんなところなのでしょうか。

堀館長「出水市は鹿児島県の北西部にあり、熊本県と県境に位置する人口約52,000人の町です。市の基幹産業は農業ですが、平野部には水田が多く、養鶏場も盛んな地域です。

出水平野は毎年一万羽を超えるナベヅルやマナヅルがシベリアから渡ってくる、国内最大のツルの越冬地で、鹿児島県のツルおよびその渡来地として国の特別天然記念物に指定されています」

どうして出水市にツルがやってくるのでしょうか?

堀館長「ツルは昔は日本全国で見ることができたのですが、開発が進んでツルが越冬できる環境が少なくなってきました。出水市の場合は水田を借り上げて遊休地を確保できている点、それが理由だと思います」

ツルの種類

出水市に飛来するツルは、どんな種類なのでしょうか?

堀館長「出水市に来るツルの中で最も種類が多いのが、ナベヅル、ついでマナヅルになります。ナベヅルは世界の総個体数の8~9割、マナヅルは約4割になります。
その他クロヅル、ソデクロヅル、カナダヅル、タンチョウ、アネハヅルと7種類のツルの渡来がこれまで出水平野で確認されています」

ツルというとタンチョウの白いイメージがありますが、最も多いナベヅルは黒っぽいツルです。

堀館長「ナベヅルは黒っぽい、鍋の底の色という意味もあると聞いています。マナヅルは真の鶴と書くので美しいと思います。なかなかこれだけの種類が見られるところは世界中あまりないです」

朝の飛び立ち

正木「実際どこで見られるのですか?」

堀館長「ツル観察センターというところがあって、そこに来ていただければ必ず見ることができます。出水平野のツルの特徴は、住宅地や田んぼの近くなど、人の生活空間の近くで見ることができることです」

正木「天気がいい日の方が見られますか?」

堀館長「田んぼに水を張っていて、そこでツルは寝ますが、毎朝何千羽というツルが一斉に飛び立つ姿を見ることができます。
ツル観察センターは6時半から開館していますから、ぜひ朝の飛び立ちを見に来ていただきたいと思います」

正木「日中も何か見られますか?」

堀館長「日中も必ず何か見ることができます。日中は、いろいろな種類のツルを探していただくことがおすすめです」

ツルはどこから飛来しているのでしょうか?

堀館長「中国大陸やシベリアから10月頃やってきて、2月頃にまた繁殖地である中国やシベリアに北帰行を行い、3月末くらいまでは見ることができます」

世界的に認定される

出水市はラムサール条約湿地自治体認証制度による国内初の認証を受けたそうです。

堀館長「ラムサール条約湿地自治体認証制度は、ラムサール条約の湿地があるという自治体のブランド化、および地域における湿地の保全や賢明な利用の推進を図ることを目的としていて、湿地の保全、再生、管理への地域関係者の参加とか普及、啓発、こういった国際基準を満たす自治体に与えられるものです。国内では新潟市と同時に認定されました。世界でもまだ43都市しか認定されていません」

7種類ものツルが3月くらいまで見られるという出水市。何千羽というツルが一斉に飛び立つ姿を一度見てみたいものです。
(みず)

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