カギは国民民主党か。自公過半数割れでどうなる?
先月行われた衆院選で自民党と公明党が過半数割れし、躍進した立憲民主党や国民民主党を含む野党が逆転を果たしました。今後はどのような政治が行われていくのでしょうか?11月2日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが衆院選後の政治のゆくえについて解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く追い打ちをかけた「2000万円問題」
10月27日に投開票が行われた第50回衆議院議員選挙。
小選挙区と比例代表の465議席の配分は与党の自公が215議席、野党が250議席と逆転しました。
与党が過半数を割り込むのは2009年以来、15年ぶりになります。
大石「驚きました!ここまで負けが込むのかと」
自民党は256議席から65議席も減らし、公明党も32議席から8議席を失いました。
大石「どっちもちょっとした事件なんですよ」
自民党が厳しかった理由は、やはり裏金問題の影響と石破政権への期待が薄かったこと。
さらに選挙終盤では「2000万円問題」が追い打ちをかけました。
非公認候補の党支部に対し、党本部から2000万円が振り込まれていた事実が明るみになったのです。
結果として、接戦だった候補が軒並み落選することになりました。
一方、立憲民主党は50議席伸ばし、注目されていた国民民主党は7議席から28議席と躍進。
国民民主党の古川元久国対委員長(愛知2区選出)は、選挙中盤「3倍の21議席になったらすごい」と語っていたそうです。
大石「それが4倍ですよ!最後、比例の名簿足りなくなったんです」
そのため、他政党の候補が代わりに当選するという異例の事態になりました。
首班指名で政権交代の可能性も?
その他、れいわ新選組は議席を3倍に増やし、前名古屋市長の河村たかし氏所属の日本保守党も3議席増やしました。
自公が過半数割れすると、政治を決めることができなくなります。
大石「自公だけではいろんな案件が決まらなくなる」
11日の特別国会で最初に行われるのは、総理を決める選挙となる首班指名選挙。
初回投票ではそれぞれの政党代表を書くのがならわしで、これまでは内閣総理大臣がすんなり選出されていました。
今回の指名選挙では、過半数に届かない場合、上位2人の決選投票にもつれ込むことが予想されます。
大石「『石破茂』『野田佳彦』と書いてくれる人を増やさなければならない」
すでに水面下では激しい動きがあるそうです。
仮に石破さんより立憲民主党の野田さんの方が得票が多かった場合、衆院選では実現しなかった政権交代が実現することになります。
大石「まだ野党の政権交代の可能性は残されているということなんですね」
政策ごとに決まる、新たな政治のカタチ
とはいえ、どちらの代表が総理になったとしても議席は過半数に達しません。今後の政治はどうなっていくのでしょうか?
実は、今回クローズアップされている国民民主党がそのカギを握っていると言われています。足りない部分を補うような議席を持っているからです。
古川国対委員長によれば、国民民主党としては「自公と連立は組まない」という明確な意志があるようです。
その一方で、立憲や維新などの野党とも「連立を組まない」と明言しています。
つまり政策ごとに賛成・反対を判断する、いわゆる「部分連合」という形をとることになります。
大石「部分連合。今までなかった日本での政治の形になりますよね」
例えば国民民主党が打ち出している消費税減税やガソリン代の値下げ。
「これらの政策に賛成してくれるのなら自公に協力してもいいですよ」といった舵取りの役どころを担うことが期待されます。
これから始まる日本の新しい政治がどうなっていくのか、注目です。
(nachtm)