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日本では新しい政党は作りにくい?さまざまな制約が足かせに

日本では新しい政党は作りにくい?さまざまな制約が足かせに

『ABEMA TIMES』によれば、衆院選で3議席を獲得した政治団体、日本保守党の百田尚樹代表が29日の会見で選挙結果を振り返りました。その中で「現実的に新規参入は比例ブロックでは立候補できないというルールになっている。憲法違反ではないか」と、政治に新規参入する障壁の高さについて憤りを述べました。11月2日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、政治の新規参入に立ちはだかる壁について、愛知学院大学総合政策学部教授の森正先生が解説しました。聞き手はパーソナリティーの北野誠と、加藤由香アナウンサーです。

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政党要件とは?

百田氏は政治への新たな参加が難しいと語りましたが、実は政党を作るだけなら総務省に届出をすればよく、誰でも簡単にできます。

しかし、公職選挙法や政治資金規正法などのさまざまな法律により政党要件というものが決められていて、これをクリアしているとしていないのとでは大きな違いがあります。

政党であるための要件のひとつ目は、現職の国会議員が5名以上いるかどうかで、国会議員を引き抜かないとすぐには政党にはなれないということになります。

ふたつ目は、前回の衆議院選挙や前々回の参議院選挙が得票率を2%を超える必要があり、どちらかをクリアすると政党助成金を受けたり、企業や団体からの政治献金を受け付けることができます。

また、テレビやラジオの政見放送に出演することができたり、物議を醸している小選挙区と比例区の重複立候補も、政党要件をクリアすると行うことができます。

近畿では最低3600万円が必要

選挙に出る時は事前に供託金を納めなければならないのですが、小選挙区では1人300万円、比例区は600万円必要です。

また、政党要件を満たしていると、ポスターやビラの枚数や選挙カーの台数を多く用意することができます。

政党要件をクリアしていない団体が「ビラの制作費や選挙カーのレンタル料金はいくらでも払うので、多く用意したい」と思っても規制されます。これは財力があって必要なものがたくさん用意できるのは不公平という考え方から来ています。

また、百田氏は「近畿ブロックにおいて定数の20%以上の人間を候補者に出さないと、そもそも比例で受け付けないという謎の理屈がある」と発言されていますが、これはどういうことなのでしょうか?

森先生によれば、政党要件を満たさない場合でも定数の20%以上、例えば近畿ブロックの場合定数は28人ですので、最低6人を立候補させたら認めるということです。

しかし最低3千600万円の供託金も必要になってしまいますので、かなり厳しいハードル。

供託金はもともと売名行為や不真面目な立候補を防ぐためのものですが、一方で今年行われた東京都知事選では、多数の立候補を行って広告がわりに掲示板を使ったことが大きな問題となりました。

つまり、供託金を払っても広告収入で元が取れるなら良いという逆手に取った考えが出てきたことで、供託金の意味は失ってしまっている状況です。

供託金は高すぎる?

民主主義では本来、誰でも平等に簡単に政治へ参加できるようにすべきなのですが、供託金などのルールで参加しづらい状況です。

森先生「今や供託金もほとんど意味がなくなりつつある以上、600万円も儲ける必要があるのか、というのは本当に思います。

このハードルをもっと低くしても良いでしょうし、仮に売名になるというのは理屈としてはわかるんだけれども、売名か判断するのはある意味有権者の判断というところはあるわけですよね。

そう考えると、このハードルをわざわざ設けて新規参入(が難しい)というのは、今の議員さんがルールを作っているわけですから、新規参入をさせたくないと思えばいくらでもハードルを上げることが可能なわけですよ」

最後に森先生は、「新規参入を今の議員さんが防ぎたいというのはわかるけれども、もう少し我々が自由に選挙に立候補する権利を大事に思って欲しいと思います」と、制約の緩和について訴えました。
(岡本)
 

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