総理は誰がなる?過半数割れの自公、混迷の模様
先月27日に行なわれた衆議院議員選挙では15年ぶりに自公連立が過半数割れとなり、与党が大敗しました。翌28日、石破総理大臣は記者会見で続投を表明しましたが、政権を続けるには新たな政権の枠組みが必要となります。特別国会は11月11日に開催される予定ですが、連立政権の拡大や部分連合も視野に入れた模索が続くようです。10月30日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、今後予想される政局の動きについて解説しました。
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憲法の規定によれば、衆議院議員選挙が終わると30日以内に特別国会を開き、そこで総理大臣を決めることになっています。
通常は自分の党の党首を投票することになり、過半数を取れば総理大臣になれるため、今までは自民党の党首がそのまま総理になっていました。
ただ今回の選挙結果ではどの党も過半数に至っておらず、おそらく1回で決めることはできず、上位2人の決選投票が行なわれるものと予想されます。
もし、自民・公明以外の全員が野田さんに投票するとひっくり返りますので、野党は誰に入れるのかが注目され、今から水面下で交渉が行なわれていると思われます。
自民党がトップでも政権は取れず
それまでの与党がひっくり返った例で有名なのが、1993年(平成5年)に発足した細川内閣です。
当時、今回の結果同様、第一党の自民党では過半数を割り込んでいました。
その時、自民党でも共産党でもない8党派が集まり、決選投票がなく細川護煕氏が一度で決まり、連立政権が樹立されました。
この連立政権の立役者は、小沢一郎氏だといわれています。
石塚「細川さんは担がれた人ですよね。自分でやりたいといったわけじゃなくて、みんなが乗りやすい、この人ならいいかと思う人、ネームバリューのある人を連れてきたんですよ。
『細川さんでどうだ?そしたら君たち政権政党だよ』というささやきをするわけです。
そうすると、まさか政府に入れると思わなかった政党が与党になるわ、大臣になるわというのがあった。あまり長持ちしなかったですけど」
今回、絵を描く人はいなさそうですので大連立ということはないかもしれませんが、可能性はあるわけです。
自民党どうしで争ったことも
その他に総理の決定について、石塚が興味深い例を2つ挙げました。
1979年(昭和54年)の時は、なんと自民党が2つに割れたことがあります。
大平正芳氏と福田赳夫氏に票が割れ、自民党同士で決選投票となりましたが、その際に野党に対して「福田と書いてくれ」「大平と書いてくれ」と働きかける状況に。
結局、大平氏が17票差で勝利したものの、大量の無効票が発生しました。
また1994年(平成6年)に村山内閣が発足した時は、野党になっていた自民党が、なんとそれまで長年対立していた社会党の村山氏に投票し、新党さきがけと合わせて『自社さ連立政権』と呼ばれる政権を樹立し、自民党は与党に返り咲きました。
果たして今回は各党どのような動きを見せるのか、要注目です。
(岡本)