中日OB・川上憲伸が明かす!サインなしで走者をアウトにする方法
10月19日、元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の川上憲伸さんが、CBCラジオ『若狭敬一のスポ音』に出演し、現役時代を振り返りました。選手が固定されているからこそできた、川上さんが現役時代の超絶プレイの秘密に若狭敬一アナウンサーも驚きます。
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キャンプ中、報道陣をシャットアウトして行なわれるサインプレーの練習には、二塁の牽制、バントシフトなどがあります。
川上さんの現役時代、ショート、セカンドは荒木雅博さんと井端弘和さんのアライバコンビでした。
この当時はサインを使わずに相手走者をアウトにしたこともあったそうです。
当時ファーストを守っていたのはタイロン・ウッズ選手。
ランナー一塁で、相手が送りバントをしてくる想定での練習にも、ウッズ選手は参加しました。
しかし実戦で送りバントされた時は、ウッズ選手は一塁にステイだったそうです。
目で会話
相手が送りバントの構えをしたら、セカンドの荒木さんがファーストの方へ行きながらバント処理。
もしくは川上さんが捕れるなら捕る。その場合は荒木さんがファーストのベースカバーに行ったり。
川上「タイロンを交えるとちょっとおかしくなるから、タイロンには内緒で我々でやる感じでした(笑)」
また、ランナーがセカンドの時。ピッチャーが手とかグローブを触ったりして、セカンドへ牽制球を投げるというサインがあるそうです。
しかしセカンドランナーがピッチャーから目線を逸らした瞬間に牽制する、と目で会話をしていたとか。
川上「僕が頷いてOKって言ったら、勝手に井端がグローブを出す。その瞬間、そこに牽制に行くとか」
若狭「そんなの、セカンドランナーがわかるわけないですよね。相手ベンチもわかるわけがない」
谷繁元信捕手も理解不能
川上「あとね、すんごい話をしようかな」
若狭「お願いします!」
さらに驚愕エピソードが語られました。
例えばジャイアンツ戦の6回表、2対1でドラゴンズがリードしている状況と仮定。
ネクストバッターズサークルに亀井善行選手が入った時点で。このまま亀井選手が代打で出てきそう。亀井選手が塁に出ると、流石のジャイアンツでも送ってくるはず。
川上さんがマウンドでピッチング練習をしてる時、井端さんが「亀井選手はリードが大きいから、セカンドに来たら2球目に牽制しよう」と言ってくるそうです。
若狭「それ、4手ぐらい先を読んでるってことですよね」
それで実際にアウトにできたそうです。
川上「キャッチャーは内野手全部のサインを把握してなきゃいけないの。谷繁(元信)さんが『あれ?サイン出たか?』みたいな感じの時もありました」
若狭「こっそり井端、川上のふたりがマウンドでロジンとか触りながら、ボソボソ打ち合わせしてた」
こっそり打ち合わせ
守備についた時は、プレーが始まる前、まず内野でボールを回します。
川上「あの時にイバが寄って来て『このイニング、セカンド来た時は2球目牽制やろう。サインないよ』って言ってくるんです。固定されてくるとそういうのができるんです」
若狭「ポジションが固定されるというキーワードが出ましたね」
特に二遊間とピッチャーの間では、サインを度外視するプレーもあるそうです。
マウンド上の川上さんからは、バッターの右打ち左打ちの違い、走者の状況、さらに川上さんの配球とカウントが変わるにつれて、微妙にポジションを変えている二遊間の動きが分かるんだとか。
その積み重ねで信頼感ができ、サインなしのプレーができるようになるそうです。
阿吽の呼吸を作るには
川上「僕らが全日本だとかオリンピック代表に選ばれた時は、それが全くゼロからのスタートになるからね」
代表チームはトップレベルの選手の集まりですが、野手も投手もお互いどう動くかわからずゼロからのスタート。
まずは投手は一生懸命投げるしかなく、野手もほぼ定位置で守るしかなく、チームが決めたサインで動くしかありません。
若狭「阿吽の呼吸でできる成熟された関係性になるためには、固定されたいつもの『アイツ』が大事なわけですね」
なぜポジションの固定が強いのかがよくわかる川上憲伸さんの話でした。今後は固定して使われる選手の成長を期待しましょう。
(尾関)