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日比遊一監督激白。映画『はじまりの日』のロケ地は日比家の聖地?

日比遊一監督激白。映画『はじまりの日』のロケ地は日比家の聖地?

現在公開中の映画『はじまりの日』の日比遊一監督が、10月13日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。『はじまりの日』は運命と因縁が絡み合ってできた映画という日比監督。聞き手は小堀勝啓です。

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物語の始まり

永瀬正敏さん主演の前作『名も無い日』日比監督の地元・名古屋市熱田区が舞台の家族の話でした。
今回の『はじまりの日』は、やはり名古屋を舞台としているものの、作風は大きく変わり、一大エンターテインメントの音楽ファンタジーとなっています。


小堀「始まりはめちゃくちゃリアル。ドキュメンタリーを見ているみたいでした」

日比「ドキュメンタリーというか、根底にドキュドラマを作りたかったというのがありまして、それと歌の部分はファンタジー。行間を歌で埋めるような映画を作れないかなと思ったのが始まりです」

ある事件をきっかけに表舞台から姿を消し、清掃員として働くロックスターだった男。演じるのは元JAYWALKの中村耕一さん。

アパートの隣人でいつも母親とケンカしていて、スターを夢見る若い娘を演じるのは遥海さん。夜の公園で歌っている娘に男が出会うことで物語が始まります。

キャスティングの妙

日比「中村耕一さん演じる主人公は知らず知らずのうちに自分も一歩踏み出していくっていう設定。70代の男性と20代の女性が歌を通じて友情が芽生えるっていう映画はなかったと思うんですね。だからそこも面白い視点かなと思います」

中村さんを選んだ理由は「キリストをイメージさせる風貌が絵になると感じたから」と言う日比監督。

日比「ジーザスみたいな顔してますよね。最初舞台を見た時、それが僕の中ではすごく印象に残ったんです」

小堀「それに、すっかり中年から老人にさしかかる身体で銭湯に入る場面は、なんかホロっとなりますね」

日比「本当に身も心もすっぽんぽんになっていただきました」

運命的な出会い

小堀「ロックスターだった男と若い女の子がめちゃくちゃ歌が上手くないと説得力がない。この遥海って人は上手いですねえ」

遥海さんとは運命的な出会いがあったそうです。

日比監督がニューヨークにいる時、女の子が路上でマライア・キャリーの歌を歌っている動画をYouTubeで見たそうです。気になって名前を書き留めておいたんだとか。

この映画を作るにあたり、ソニーミュージックに、「将来、宇多田ヒカルさんみたいになるような、ダイヤモンドのような歌声の持ち主はいないか?」と聞いたところ、ひとりの音源を渡されたそうです。

日比「その時に、僕の記憶の中のすごい歌とふっと重なりました。過去の自分のノートを見たら『遥海』って書いてあったんです」

この子だ!と思って脚本を見せると、キラキラした目で「この役は私です」と言ったそうです。

一癖二癖ある人々

主人公のふたりを取り巻く人たちも曲者揃い。

遥海さん演じる少女のダメな母親に高岡早紀さん。
嫌味で敏腕の音楽プロデューサーに竹中直人さん。
ロックスターだった中村耕一さんのファンで、今は同僚にぐっさんこと山口智充さん。
ボロアパートの管理人が舞踏集団、大駱駝艦の麿赤兒さん。

小堀「ドキュメンタリーで始まりますが、ガンッと突然ミュージカルになる。分かりやすく言えば『ラ・ラ・ランド』みたいに、僕たちの知ってる名古屋が素晴らしいステージになっていきますね」

日比「テレビ塔(現・中部電力 MIRAI TOWER)をエッフェル塔のように、名古屋をパリの街のように撮りたいなという思いがあったんです」

小堀曰く、この映画は、アメリカ生活が長かった日比監督だからか、外国人が日本を舞台に撮ったようなテイストがあるそうです。

監督と観客の聖地

日比「実を言うとテレビ塔が立つ前、日比家はあそこの真下にあったんです。これ、本当の話なんです」

日比家は、テレビ塔建設で立ち退きになって今の熱田区に引っ越したんだとか。

日比「テレビ塔の辺りは私の心の聖地でもある。写真も残ってますよ」

真っ白なキャンバスの中の点から始めて、それを線にして、ひとつの形にする。そこからシーンが生まれる。その中の主人公たちに息を吹き込む。それが監督の仕事だと言う日比監督。

日比「名もない公園だとか、路地裏だとかが映画を観た皆さんの聖地になる。それが僕がいつもチャレンジしてる事なんです」

セカンドチャンス

ある事件をきっかけに表舞台から姿を消したロックスターと、スターを目指す少女。物語はどうなっていくのでしょうか。

「私は決して犯罪者の味方ではないんですけども」と前置きをしつつ映画について語る日比監督。

日比「『セカンドチャンス』っていう言葉が日本ではあんまり表現されませんけども、僕は海外生活が長いので、そういう映画もありなのかなと思ったんですね」

ミュージカルの定番『レ・ミゼラブル』でも贖罪がテーマとして扱われています。

小堀「何と言っても元気になる。これは口でなんぼ説明してもわからないので観に行ってください」

日比「私は映画館で観てもらえるような映画作りを心掛けています。ぜひ映画館で音のパワーとか画のパワーを感じていただきたいと思っています」

街で元気に歌ったり踊ったりしている人がいたら、この『はじまりの日』を観終わった人かもしれません。
(尾関)
 

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