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被災地で大活躍!数時間で建ち、丈夫で快適「インスタントハウス」とは?

被災地で大活躍!数時間で建ち、丈夫で快適「インスタントハウス」とは?

9月は防災月間です。猛暑や台風、地震など、いつどこでどんな自然災害が起きてもおかしくありません。9月2日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーが防災、減災につながる話として「インスタントハウス」を取り上げました。開発者である、名古屋工業大学建築設計を専門とする北川啓介教授に話を伺いました。

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避難所でのストレス

今年は元日に最大震度7を観測した能登半島地震から始まりました。
そして8月には初めて南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」との判定も発表されました。

いざ、地震や水害で自宅が被害を受けて住み続けられない状態になってしまったら、学校の体育館などの避難所に行くことになる方が多いでしょう。

そこで必ず問題になるのはプライバシーが確保できないことです。常に大勢の人がいる広い空間で生活するのはかなりのストレスです。

今年の能登半島地震発生からしばらくすると「避難所にインスタントハウス設置」との記事やニュースが報じられました。
そもそもインスタントハウスとは何でしょうか?

開発者である北川啓介教授に会うため名工大に足を運び、実際にインスタントハウスを見ることになったつボイです。

柱はないけど強い構造

つボイは、スタジオでのレポートで、インスタントハウスの外見を「3つ白い建物が建っています。白いどんぐりのように頭のとがったものです」と表現。

小高「どんぐり型のテントのようなもの?」

つボイ「円筒で先っぽがきゅっとどんぐりのようにすぼまったようなもの」

大きさは、直径、高さとも5m~6m。円柱でとんがり帽子のような形。色は真っ白で、モンゴルのパオのような感じです。

北川先生に伺いました。

つボイ「素材は何ですか?」

北川先生「外は白防炎シートを使っています。骨組みは入れると逆に弱くなるので、空気膜でぐっと膨らませておいて、内側から断熱材を吹き付けてそれを構造体にしています」

柱などはなく、それがかえって強い構造になっているようです。

早く作れる!

インスタントハウスの中に入ったつボイ。中には絨毯が敷かれ、イスやソファー、そして壁もあります。

北川先生「壁は発泡ウレタンで一般的な住宅などでも使われている断熱材です。冬も温かいし、ちょうどふわっとした羽毛布団をまとったような状態です」

つボイ「作るのに期間はどのくらいかかりますか?」

北川先生「早いと1時間で全部できます」

インスタントといっても家が1時間でできるとは驚きです。災害時などは早ければ早いほど助かります。

いろいろな形にできる

終始驚きを隠せなかったというつボイ。

つボイ「見るもの、聞くもの、私の常識が覆るのがわかりました。骨があると弱いですという。卵のように全体で力を受け流すような構造です。だから丈夫だそうです。
80mくらいの風にも耐えられる。1m~2mの雪が積っても大丈夫。結構固いです」

直径5~6mの中に入ると、意外に広く感じるとか。プラネタリウムのように上に広がりを感じ、解放感があるそうです。
また形状も卵のような形から、体育館のようなものなど、好きな形にできて窓も自由に作ることができます。

つボイ「こういうものが数人で1時間くらいでできてしまう。また、外側のシートはスーツケース1個に入るくらいのものです。そのスーツケース1個を持っていけば、現地にある断熱剤や吹き付けの機械の人に頼んで、空気をふーっと膨らませて作ることができます」

小高「作るのは簡単なんですね」

省エネハウス

簡単に作れ、頑丈であることはわかりましたが、つボイが感心したのは、中の様子がとても快適だったこと。

つボイ「電気も引けるんですね」

北川先生「断熱剤でくるまれているので、オフグリッドといって、通常の電気水道を引かなくても、ソーラーパネルだけで十分快適な生活ができるようになっています。すごく省エネで住むことができます。

ほんのちょっと空調をつけるだけで部屋の中は涼しいです。夏も冬も快適です。防音性もありカラオケをやっても大丈夫です」

小高「つボイさんの家より豪華そうですね(笑」

わくわくする家

インスタントハウスについて「広い、圧迫感がない、曲面の世界ってふぁっとした広がりがあって、断熱材で作っているので、ちょっとしたエアコンがあるだけで快適に住めます」とまとめるつボイ。

小高「防災減災のテーマですが、ちょっと欲しいなとわくわくしてきますね」

災害に関係なくても、暮らしてみたくなるようなインスタントハウス。
防災をきっかけに、新しい技術がここまで進んでいるのかと驚かされます。
(みず)
 

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