2024パリ五輪で掲げられている環境対策
2024年パリオリンピック(以下、パリ五輪)が7月26日~8月11日までの日程で開催されています。日本の選手団が続々と現地入りし、本番に向けた調整をしている等のニュースが連日報じられています。7月24日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、運営サイドによる環境などへの配慮について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く目標は脱プラ・CO2削減
小高「オリンピックが終わったら、続けてパラリンピックが開催されますよね。最近のオリンピックやパラリンピックは、SDGsに対する意識も高くなっています。今回はCO2の排出量をこれまでの半分以下に抑えることを掲げています」
具体的には、競技施設の95%を既にある建物、または仮設の建物でまかなったり、再生可能エネルギーを使用したり、使い捨てプラスチック製品の使用禁止などの目標を掲げているそうです。
使い捨てのペットボトルの持ち込みが禁止され、マイボトルが必要だとか。
公式スポンサーのコカ・コーラは、再生可能なガラス瓶を使用することや、ソーダ・ファウンテン(清涼飲料水を供給するための簡易な装置)を、会場200箇所に設置することを決めています。
脱プラスチックという点ではヨーロッパが先行していることから、「今回のパリ五輪の施策を見ることで学べることがあるのではないか?」とつボイ。
マイボトル持参必須・地産地消も意識
一方でフランスと言えば、食事も気になるところです。
つボイ「パリならおいしい食べ物が多いから、食事目当てで訪れる人も多いんじゃないですか?」
小高「15日間ずつあるオリンピックとパラリンピック、およそ1か月間にアスリート、ボランティア、観客、メディア関係者など多くの人のために用意する食事は総計1300万食以上だそうですよ」
今回のパリ五輪では、美食の国・環境に取り組む国として、様々な食文化や事情を持った人たちにおいしい食事を提供するためのフードビジョンも掲げています。
植物性食品の活用を2倍にし、観客向けメニューの60%、ボランティアやスタッフ向けも50%以上は肉を使わないベジタリアン対応料理または植物性食品への置き換えているとか。
また調理材料は、持続可能なものの認定を受けた食材100%を目指し、フランス産の食品使用率を80%、うち25%は会場から250㎞以内の産地から調達する「地産地消」だそうです。
どれだけの成果を挙げられるかが鍵
また、近年パリの気温は上昇傾向です。
選手村には、環境の観点からエアコンを設置しない方針ですが、暑さから体調不良や寝不足等で実力が発揮できない選手がいると困るため、各国の選手団は自費でエアコンを設置・調達する動きも見られます。
以前のパリであれば、エアコンは夏でも必要ない環境でしたが、近年の熱波や暑さの影響から、パリ市民ですらエアコンを使おうとする動きが徐々に一般的となっているそうです。
一方で「エアコンの設置や使用はCO2削減の動きに反する」とする意見があります。
また全ての国がエアコンを調達できるわけではなく、国や選手による格差が出るとする問題もあるようです。
施策を実行するために生じる軋轢や問題があるため、選手たちのやる気や観客の見る気を失わないバランスのとれた運営になると良いものです。
(葉月智世)