坂崎幸之助、幻のマーチン購入記とバンドが長続きする秘訣を語る

坂崎幸之助、幻のマーチン購入記とバンドが長続きする秘訣を語る

7月14日、THE ALFEEの坂崎幸之助さんのインタビューがCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』で放送されました。 ライブツアー『THE ALFEE 50th Anniversary 風の時代・春 From The Beginning』名古屋ファイナル(名古屋国際会議場センチュリーホール)の楽屋で行われたインタビュー、聞き手は小堀勝啓です。

将来のバンド構想

「よろしくお願いしまーす」と、ジャーンとギターを鳴らしてギター漫談の芸人さんのように挨拶をする坂崎さん。

THE ALFEEは今年でデビュー50周年。坂崎さんと高見沢俊彦さんは70歳で古希。桜井賢さんは69歳です。

坂崎「高見沢と僕が古希って。まさか、まさかですよ。30~40代の頃は、還暦までやったらすげえなとは言ってましたけど、そこからまた10年ですからね(笑)」

小堀「次は米寿です」

坂崎「ザ・ベージュってヴィジュアル系のバンドみたい」

小堀「みんなベージュ色のスーツ着てやる」

坂崎「地味ですねえ(笑)」

笑ってください

海外ではローリング・ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズが80歳を超え、ビートルズのポール・マッカートニーは82歳。リンゴ・スターは84歳です。

THE ALFEEの3人は、10年以上前、ストーンズの東京ドーム公演に行き、チャーリー・ワッツが叩いている姿を見ただけで、「すげえな」と笑いがこみあげてきたそうです。

坂崎「笑えるぐらいすごかった、あの時の彼らの歳を超えました。僕らももう笑われてもいいんですよ。あいつらまだやってるって笑ってください」

小堀「拝みますよ」

坂崎「拝むんだったらお賽銭下さい(笑)」

バンドが長続きする秘訣

インタビュー前、ステージのセットを脇から覗かせてもらった小堀。
高価なギターが何本も並んでいる横には曲の合間のコントで使う竹刀や笊が並べてあったとか。

小堀「コントの道具が名のあるギターと同じ扱いなんだと感心しました」

坂崎「バンドが長続きする秘訣はこれですよ」

ストーンズもコントをやっていれば、ベースのビル・ワイマンが脱退することもなかったかもしれません。

芸人のこだわり

坂崎「昔のボーイズ物とかお笑いの人たちはいい楽器使ってましたからね。ギブソンのギターとか、ツインリバーブ置いてやってましたよ」

楽器を使った演芸のグループを「ボーイズ物」と言います。コントや音楽漫談とは違う独特の世界があります。

ギブソンはアメリカの老舗ギターブランド。ツインリバーブとは、ギブソンと並ぶギターブランド、フェンダーのギターアンプのことです。

坂崎「かしまし娘さんはギブソンとかね。こだわりがすごいですよ」

かしまし娘の長女、正司歌江さんが三味線。照枝、花江さんのふたりはギター担当で、ギブソンL-48を使っていました。

幻のマーチン

坂崎さんは最近、東京、お茶の水にあるカワセ楽器ですごいギターを手に入れたそうです。それがマーチンの最高機種D-45。

坂崎「それの初年度のプロトタイプ、2本の内の1本なんです。だから生産ラインに乗る前の博物館級のやつなんです」

昔、マーチンのスタッフがカワセ楽器に来た時に「あ、ここにあったんだ」と言わしめたんだとか。

カワセ楽器は、そのギターを誰にも売らず、ギターはウインドウの奥に50年以上鎮座していたそうです。

選ばれなかった1本

そのマーチンD−45が店に出たのは1969年か1970年のこと。
トノバンこと加藤和彦さんが最初に買おうと思ったそうですが、その時に持ち合わせがなく、別の日に行くともう1本入荷していて、そちらを買っていったそうです。

坂崎「これは残っちゃった方で、最初の1本なんですよ。だから、みんなカワセ楽器に行くと、いつか俺もあいつをって拝んでた」

当時は77万円ほど。これは売らないと決めたカワセ楽器。坂崎さんは行く度に「これ売らないの?」と言っていたとか。やがてビンテージのマーチンの価格が高騰。200~300万円になって…。

坂崎「今はもう5倍ぐらいですよ。ヤバいっすよ」

使ってあげたい

今回、カワセ楽器が、ギター販売をやめて修理だけに業務形態を変更。ついにそのマーチンを手放すことにしたそうです。

まずは何十年もの間、行く度に「これ売らないの?」と言い続けた坂崎さんに声がかかったとか。

坂崎「これを買わないわけにはいかないわけですよ。そこで、僕は25本手放したんですよ」

それでも軍資金の半分ほどにしかならなかったそうです。それぐらい貴重なD−45。すでに楽器店の並ぶお茶の水界隈では坂崎さんが買ったことが知れ渡っているそうです。

坂崎「コレクターのところに行ってもいいんですけど、50年間ずっとウインドウの中で黙ってたやつだから使ってあげたいですね」

音楽を奏でるために作られたものが楽器です。楽器屋さんの間では「坂崎さんに買われて良かった」という声も上がっているそうです。

目が覚めた

貴重なマーチンD−45を緊張しながら家に持って帰ると、5分ぐらい「泉谷弾き」をしたそうです。
「泉谷弾き」とは、坂崎さんが名付けた奏法。泉谷しげるさんのようにガンガンに弾くこと。


「そしたら鳴ってきた。目が覚めてきました。あんな大きい音で弾いてもらったことないんじゃないですかね」と愛おしそうに振り返る坂崎さん。

触られていないので外見もきれいで、音はまだまだ若く、現在、弾きやすいように調整に出しているそうです。「いろんなところで弾くのが楽しみ」と坂崎さん。

お披露目したい

小堀「お披露目のライブをやらなきゃいけないですね」

坂崎「お披露目洋子(荻野目洋子)。お披露目ちゃんやらなきゃいけない(笑)」

荻野目洋子さんのヒット曲は「ダンシング・ヒーロー」。

坂崎「ヒーローだけに披露しないと」

小堀「弾いてくれる人に買われて良かった」

坂崎「カワセさんもそう言ってました。坂崎さんに、まず声かけたのは弾いてもらいたいからって」

貴重過ぎるギター。流石に「ツアーでは持ち歩かないでください」と、THE ALFEEのスタッフからは言われているそうです。まずは自分のラジオ番組で披露する予定だとか。

坂崎幸之助さんと小堀勝啓のゆるいトークはこの後も盛り上がりました。 
(尾関)

 

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