トランプ前大統領襲撃事件、SNSのデマに要注意!
アメリカ大統領選挙は15日から共和党大会が開幕し、トランプ前大統領が大統領選候補に正式に指名されました。その直前の13日、トランプ前アメリカ大統領が銃撃された事件は、アメリカのみならず世界中に衝撃を与えました。7月17日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、銃撃事件が大統領選挙に与える影響だけではなく、私たちが今後気をつけるべきことについて解説しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く銃撃された時の状況
暗殺未遂事件から数日以上が経ち、何が起きていたのかが徐々にわかるようになってきました。
背景に組織がない単独犯と思われ、安倍元首相の銃撃事件と同様とされているローンオフェンダー、ローンウルフと称されています。
科学的な分析や銃撃時の映像によれば、トランプ前大統領は後ろに映し出されていたモニターを見ながら話していたところ、右耳に銃弾が飛んできたということで、もし正面を向いて話していたら、後頭部に当たっていたかもしれないという見方があります。
石塚はこの状況が、かつて観た映画『ジャッカルの日』に似ていると語りました。
1960年代のフランスでドゴール大統領が暗殺者ジャッカルに狙われるという話ですが、最後のほうのシーンでドゴール大統領が軍人さんに表彰していたところ、そばのアパートメントから狙っています。
結果外れるのですが、なぜかというと、撃った時に大統領はたまたま軍人さんに頭を下げたからで、暗殺者は射殺されました。
あちこちでデマが拡散
トランプ大統領にとっては奇跡でしたが、最近ではこの事件を両陣営が利用する向きもあるそうです。
一部の共和党支持者が「神の力によって命が救われた」と広め、今回の事件の真相を陰謀論としてSNSで語る人が、民主党支持者のみならず共和党支持者の一部からも出ています。
石塚は「みなさんも注意してほしいので、あえて言いたいんですけど」と前置きしつつ、SNSや動画配信等で「安倍元首相の声が聞こえたから、後ろを振り向いた」「銃撃事件がヤラセだったんじゃないか」と語る人がいると言及。
鵜呑みにすることはもちろん、目的に関わらずSNSで拡散するだけでも偽情報を広める片棒を担ぐことになりますので、注意が必要です。
一方、民主党の候補は?
ただ、銃撃事件によって共和党の結束が強まったのも事実で、党内でトランプ候補と対立していたヘイリー元国連大使も、現在はトランプ氏を支持しています。
また、民主党政権への批判を強めるよりも、国家としての団結を第一に掲げるようにシフトチェンジしてきたため、対する民主党側は戦略の立て直しが急務となっています。
しかもバイデン大統領の失言が連日報道されていて、先日はゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」、ハリス副大統領を「トランプ」と言ってしまう、ありえないミスを連発しています。
さらに民主党支持だったトラック運転手の労働組合が「支持するかしないかは自由」との方針を打ち出したため、票が減ることが確実視されています。
銃撃事件が大統領選挙に与える影響は、かなり大きいようです。
(岡本)