地味にすごい福井。五木ひろし、新曲で地元を猛プッシュ
6月30日、メジャーデビュー60周年の五木ひろしさんが『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)に出演しました。3月リリースの新曲「こしの都」は、故郷である福井を歌った歌です。北陸新幹線開業時のキャッチコピーは「地味にすごい、福井」でしたが、今回のインタビューでは福井を派手に語る五木さん。聞き手は小堀勝啓です。
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小堀「いつもお変わりなく。ふたり足すと150歳ぐらいですね」
五木「歳って勝手にとっていきますけど、あんまり気にしないですよ」
五木さん、76歳。小堀74歳。
小堀「昔の大御所って、どこか前の世代の人っていう感じがあったけど、五木さんはいつも若い人とステージにいるから、ずっと今の人っていう感じで不思議ですよね」
五木「先輩たちがいたからこそ自分があるんで、今度は若い人たちに継承して欲しいんです」
若い人には、演歌・歌謡曲を相撲のように後世に繋げていって欲しいと願う五木さん。
五木「そういう流れを作っていかないと途切れてしまうんですよね。それが一番嫌なんです。古典にまでなれば、そこから大事にしていくんですよ」
オーケストラで歌う
3月リリースの新曲「こしの都」は、オーケストラをバックに五木さんの故郷・福井県の歴史を取り上げた意欲作。作曲は五木さん自身が手掛けました。
「壮大なテーマには壮大な音楽を」と60人編成のオーケストラを起用したそうです。ところが、録音の時はスタジオに入りきらなかったとのエピソードも。
小堀「バックが大オーケストラ。すごい作りですね」
五木「音楽っていうのは常に贅沢であって欲しいですよね」
「生音と打ち込みの音では、音がまるで違う」と五木さん、「コンサートで一度オーケストラをバックに歌ってみたい」と続けます。
地味だけどすごい
「こしの都」の作詞は日本歌手協会理事長である合田道人さんが手掛けました。福井に仕事に行く度に歴史などを勉強してこの詞が出来上がったそうです。
五木「福井出身の人が聞いていてもびっくりする詞だそうですよ」
さらに「こしの都」のミュージックビデオを撮りに行った時、改めて福井県のすごさを知ることになったそうです。
五木「実は僕も、紫式部が1年いたってことは知らなかったんですよ」
また、第26代天皇の継体天皇も福井県で過ごしたことがあり、福井平野を開いた治水伝説も残っています。
五木「福井は地味だけどすごいってのがキャッチコピーなんですよ。その福井に新幹線が開通して、改めて歴史を感じていただくために出来上がった作品です」
福井県民の良さ
五木「2年前に、僕は『北前船』という歌を歌いましたけど、あれも福井が中心なんですよ」
北前船は、福井県から北海道、樺太まで日本海をメインに、江戸から明治時代にかけて活躍した北国廻船の呼び名です。五木さん曰く、北前船は「動く総合商社」。
小堀「こし(越)って福井県のことだと思いますが、古語では福井からずっと新潟の方まで、全部こし(越)の国だったんですね」
五木「それで越前とか越後とか生まれたんですよね」
福井県は万葉集にも出て来る歴史ある都です。
五木「福井って日本を代表する歴史的な街なんですよね。でも宣伝下手なんですよ」
小堀「米も日本酒も蟹も美味しい。地場産業もいっぱい。でも言わないじゃないですか」
五木「それが良さなんですよ。でも今は想像以上に盛り上がってると知事さんがびっくりしてました」
先輩の歌を歌うには?
新幹線と「こしの都」で盛り上がる福井県。五木さんも歌手生活60周年で盛り上がっています。
小堀「還暦になる歌手はいますが、歌手生活そのものが還暦になる人はすごいですね」
五木「16でプロになりましたから、早いもんですよ」
若いゲストの中には、五木さんを目標にするが追いつくだけでも難しいと言う人がいると言う小堀。
五木「そんな簡単に追いつけるものではないと思いますよ」
五木さんは一刀両断。五木さん自身も、先輩の歌を歌えるようになるには何年もかかったとか。
五木「その人の歌を聞いて、その人の個性、特徴、良さは何か?それでその人の歌が歌えるようになるわけですから。5年、10年はかかります」
続いて五木さんの口から出たのはやはり「継承」でした。
五木「目標にしてもらえるだけで嬉しいですけど、それを歌い継いでもらうためにも、ずっと聴いててほしいなと思いますね」
目標はエージシュート
話題はアメリカの映画俳優で監督のクリント・イーストウッドさんに。
2021年公開『クライ・マッチョ』は90歳を超えてからの監督・主演映画でした。
五木「外国には90超えてもやれる人はやってます。歌の世界で、どこまでそれを貫いていけるかが、今後の僕の勝負なんです」
五木さんは歌以外でも、もうひとつ目標がありました。ゴルフでエージシュートを達成すること。
ゴルフを始めて最初に目指すものに「スコアの100切り」がありますが、エージシュートは、自分の年齢かそれ以下のスコアで回ることです。
五木「80になってのエージシュートは普通になっちゃうんで、70代のエージシュートが価値があるんですよ」
小堀「そのニュースを楽しみに待ってます」
五木「その時はご報告します」
全国を巡る歌手生活60周年記念コンサートも始まっています。
元気な五木ひろしさんの歌声をぜひお楽しみ下さい。
(尾関)