3年ぶりの開催!「党首討論」の正式名称って何?
19日、岸田総理と野党党首による党首討論が開催されました。党首討論の開催はおよそ3年ぶりで、岸田内閣としては初めてで、政治改革などに関する論戦が行われました。6月19日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、あらためて「党首討論」について解説しました。
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日本での党首討論は、もともと国会の審議を活性化させようという目的で、1999年に国会審議活性化法という新しい法律ができたあと、正式には2000年に始まりました。
1999年に当時の小渕首相と民主党鳩山代表の間で試験的に実施されましたが、その時の質問は「総理は今朝、何を食べてきましたか?」というものでした。
モデルにしたのはイギリスのクエスチョンタイムといわれていて、「何を聞いてもいい」というスタンスなので、それを真似たようです。
日本では党首討論を行うのにあたり、衆議院と参議院に国家基本政策委員会を作っています。
実は「党首討論」の正式名称は「国家基本政策委員会合同審査会」というのです。
党首討論のルール
党首討論の時間は45分と決まっています。しかもすべての党を合わせての時間のため、短い印象を受けます。
与野党の申し合わせでルールが決まっていて、すべての党が参加できるわけではなく、10人以上の国会議員がいる政党や党派だけが出席できます。
今回の党首討論は野党側は4人出席し、立憲民主党は泉代表、日本維新の会の馬場代表、共産党の田村委員長、国民民主党の玉木代表です。
持ち時間は議席数によって配分されるため、立憲民主党は26分ですが、国民民主党は3分しかなく、朝食のメニューを聞くだけで終わりそうな長さですので、やはり45分というのは短い気がしますね。
お手本のイギリスでは
党首討論はイギリスのクエスチョンタイムを参考にしたということですが、石塚委員は「日本のものとは結構異なる点がある」と指摘。
イギリスでは基本的に毎週月曜から木曜に1時間ずつ行われるため、頻度がまったく異なります。
さらに首相だけではなく他の閣僚にも質問ができ、首相が出てくるのは水曜日の30分だけで、その部分だけ抜き出してきたのが日本の党首討論といえます。
また、場合によっては代表だけではなく議員も質問できる場合がありますので、活用すれば自分の顔を売るチャンスにもなるそうです。
党首討論の意義が薄れている?
党首討論が正式に導入されたのは2000年、当初は年8回、翌年は年7回ほどとよく行われていましたが、今回は3年ぶり。
最も印象深いのは、当時民主党政権だった2012年、野田総理に対して安倍党首が解散を念押ししたこと。
実際に解散して選挙が行われ、自民党政権が返り咲きました。
党首討論は制度ができてから20年以上経ちましたが、2大政党制ではないため野党1党分の時間が短すぎたり、野党からするとむしろ予算委員会の方がテレビ中継があって長く質問できるという考えがあったりと、制度を見直す時期に来ているのかもしれません。
(岡本)