健康に生きるために憶えておきたい「人を呪わば脳梗塞」
6月7日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では「吉田たかよしに聞け」と題し、リスナーから健康に関する相談を募り、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えました。聞き手は北野誠と氏田朋子です。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く寝起きのいい朝を迎えるには?
番組冒頭から吉田先生に相談する北野。
北野「55歳くらいから、気持ちのいい朝を迎えたことがない。60歳を超えたあたりから、朝起きて今日は気持ちいいわ、というのが年に5日くらいしかない。みんなそうだと言います」
吉田「そういう方、すごく多いです」
最も大きな原因は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がだんだん低下すること。だから寝たなと思っても意外に脳は回復していないそうです。
あとは筋肉を使うことと精神とのバランスによって人間の脳は成り立っていますが、このバランスが崩れてくることも影響しているとか。
筋肉を使ってなくても、50歳でも60歳でも精神的なストレスはあり、このバランスの悪さが朝起きた時の不快感につながっているそうです。
スポーツで得る快感
氏田「ある程度筋肉は使わないといけないんですね」
吉田「日中の精神的なストレスは抑えて、筋肉はしっかり使う。特に楽しく筋肉を使うということが大事です」
北野「結局スポーツジムに行っても、楽しいと思わないと続かない」
趣味でクライミングをしているという吉田先生。
筋肉をすごく使うスポーツですが、登れた時の快感でドーパミンが大量に出ることで、脳の働きが回復しているということです。
吉田「北野さんはゴルフでナイスショットが出た瞬間、ドーパミンが出てますよね?」
北野「すごく気持ちがいいです。めったにナイスショットないですけど(笑)」
右手を上げ「やった!」
吉田先生がおすすめするのは、何かをやり遂げた時に「やった!」と叫ぶことだとか。
吉田「その時、右手の拳を上げる。左利きの方も右手。なぜなら神経は左右が交差して、左側の脳が刺激を受ける。そうすると脳は前向きになるというデータが出ています。
また『よっしゃー!』と言うことによって筋肉の活動量が20%くらい増します。前向きになる言葉ならなんでもいいです」
北野「僕ら、ドライバーでバーと飛んだ時に、自分でガッツポーズを取りながら、『ええことは続かんけどな』と内心思います」
吉田「それはよくないです」
北野「2回続けてナイスショットしたことはないですから(笑)」
「誠、次は大丈夫だよ」
吉田先生は失敗した時の言葉も大事だと言います。
吉田「その時は、自分の名前を言って慰める。『誠、次は大丈夫だよ』と、自分で『誠』と言うんです。自分の名前を添えて言うと、それを他人から言われたような風に脳が錯覚する。それによって脳が前向きになるというデータが出ています」
またフィンランドの研究によれば、ライバルの失敗を喜ぶメンタルを持っている人は脳梗塞になりやすいとのこと。
北野「人を呪わば脳梗塞、ですね」
人を呪うと自分が病気になると考えれば、馬鹿らしくて呪おうという気がなくなります。
吉田先生も「名言ですね」と感心しきりです。
作り笑顔でも無問題
では、他人の失敗をどう捉えたらいいのでしょうか?
吉田「一番いいのは、前の人が池ポチャをした時は、協力し合いながらみんな頑張ろうという雰囲気を作ること」
北野「そういうポジティブな人が必要ですね」
吉田先生によると、表情も大事だとか。
作り笑顔でもいいから、口元だけでなく、目尻もしわを寄せるように笑うと、脳にフィードバックして、メンタルが前向きになり、血圧も安定するというデータがあるそうです。
北野「自分で自分の脳を騙すんですね」
(みず)