意外と知られていない、怪談師の半生
CBCラジオで放送されている『北野誠のズバリサタデー』の「ズバリこの人に聞きたい」コーナーでは、パーソナリティの北野誠が話題の本の著者にインタビューしています。6月8日の放送では、『怪談屋怪談 怖い話を知り尽くした18人が語る舞台裏と実体験』(笠間書院)の著者で、怪談師で作家の川奈まり子さんが登場。この本では怪談に魅せられたという作家や怪談師、呪物などの蒐集家、映像監督など、北野も含めた18名に取材をした記録を綴っています。この記事では、あまり語られていない怪談師の知られざる人生などについて、川奈さんが語った部分を取り上げます。
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川奈さんや北野を含め、怪談イベントなどでは怪談師が集い、そのあと飲みに行くことがよくあるそうです。
ただし自分の経歴について話すことはあまりなく、意外とお互いのことを知らないとのこと。
そこで川奈さんは「どうしてこんなに上手な怪談師になるのか」という素朴な疑問を抱き、それぞれの背景を知ってみたいと思ったそうです。
川奈「ファンの方も知りたいと思ってると思うんですよ。もしかしたら、どこかでエッセイやコラムで公開している方がいらっしゃるかもしれないですけど、そうじゃない方のほうが多いし」
長年仕事をしてきたが…
北野は怪談の番組で鎌倉泰川監督と長年一緒に仕事をしてきたのに、意外と知らないことが多かったそうです。
北野「身体がゴツくて格闘技が好きなのはわかってたけど、新日本プロレスに入門したくて落ちたっていうのは初めて知った」
鎌倉監督はいろいろなバイトを経験して、学生時代にBOØWYのライブをDVDで撮影することになったそうです。
普通なら4人がかりで動かすカメラのクレーンを1人で動かしていたところ「アイツは誰だ?」と注目され、映像監督になり、怪談の番組を撮るようにもなったそうです。
何がきっかけで怪談の世界に足を踏み入れるのか、まったく予測がつかないものです。
波瀾万丈な人生
この本では、他にも怪談師の過去に関するエピソードが多く紹介されています。
川奈「中には友人として親しく付き合ってる方もいらっしゃるんですけど、全然知らなかったので。こういう機会でも設けないと、聞けないなと思って」
北野「今や語り部で有名な城谷(歩)さんも、母子家庭で貧しい中で育って真面目に生きてきたのに、ある日突然、アルバイト先でパチンコを打ったばっかりにパチスロ中毒に」
川奈「よく書かせてくれたなと思って」
北野「お父さんがギャンブルで身上を潰して、自分はやってはいけないと思ってたのに、パチスロに夢中になって借金を背負うようになってしまうという」
リアルなクレイジージャーニー
怪談師や怪談に携わる方は、こどもの頃から怪談好きのイメージがありますが、意外とそうとは限らないようです。
北野「ちっちゃい時からなのは、桜井館長ぐらいじゃないですか?『月刊ムー』(ワン・パブリッシング)に『心霊写真をお年玉で買い取ります』って出してた」
また『クレイジージャーニー』(TBS系)でも知られるオカルト研究家の吉田悠軌さんについて、「これまでの人生自体がクレイジー」と語る川奈さん。
吉田さんは高校生の時にバイトで貯めたお金で単身インドへ向かい、お金をなくしたり国境を越えられなくなったりしたことを経験。
さらに早稲田大学在学中に父親となり、こどもをおぶって大学の授業を受けていたそうです。
怪談師の背景を知ると、さらに怪談を面白く感じるかもしれません。
(岡本)