中日・村松開人選手、今シーズンの活躍の秘密は「開幕前の悔しさ」
中日ドラゴンズ2年目で活躍中の村松開人選手。球団タイ記録の8打席連続ヒットを達成、オールスターのファン投票の中間発表ではショート部門で1位と何かと話題。活躍の裏には何があるのでしょう?6月1日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、CBC若狭敬一アナウンサーが村松選手から聞いた話を披露しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く絶好調の時はどうなる?
村松選手は5月1日の横浜DeNAベイスターズ戦から5月4日の東京ヤクルトスワローズ戦にかけて、球団タイ記録の8打席連続ヒットを達成しました。
例えば「打撃の神様」と言われた川上哲治さんは「ボールが止まって見える」、元中日ドラゴンズの谷繫元信さんは「読みが全部当たった」と語っていたそうです。
若狭が村松選手に好調の秘訣を尋ねたところ「身体のコンディションが抜群に良かった」との回答。
打ちにいっても、ボールだと判断するとパッと身体が止まり、逆に振りたい時にはすぐに振れるほどキレが良かったそうです。
若狭「プロの選手って身体の変化がわかるんです。すごいと思います」
身体の違いがわかる
村松選手が1年目の経験を踏まえて、昨年のオフから取り入れたのが瞬発系のトレーニングメニュー。
これでシーズンが開幕して、徐々に身体のキレが良くなってきたそうで、4月28日の試合前、瞬発系のトレーニングやストレッチをしている時に「今日の身体は違う」と実感したそうです。
その日から8試合連続ヒット。その過程で8打席連続ヒットも達成されました。
この間は30打数18安打、打率は驚異の6割でした。
絶好調の反動
しかしこの絶好調には反動がありました。
5月10日の広島東洋カープ戦の第3打席から5月18日のDeNA戦の第2打席まで、村松選手は18打席連続ノーヒット。村松選手によれば「疲れが出た」とか。
若狭「絶好調と言うのはだいたい10日間ぐらいのもんなんでしょうね」
バットを止めたい時に止まらず、振りたい時に振れなくなってしまった村松選手ですが、現在は疲れが抜けているそうです。
これからの活躍に期待しましょう。
内野安打でOK
若狭が調べたところによると、村松選手の昨年と今年の同時期を比べると、フォアボールの数、三振の数、打点の数は変わらないものの、ヒットの数が圧倒的に変わっているそうです。
この件について「内野安打OKっていう気持ちでいるんです。イチローさんの打率って内野安打を除いたら、どのくらいか知ってる?と他人に言われてハッとしました」と語ったとか。
村松選手はきれいなヒットを打ちたい完璧主義者。ジャストミートしてきれいな当たりを打つことに固執するあまり、打ち損じを嫌うそうです。
するとバッティングが苦しくなり、精神的にも追いつめられる状態へ。
「あのイチローさんでも内野安打を取り除いたきれいなヒットだけだとそんなに打率は高くない。内野安打ってすごい。そう思えただけでずいぶん楽になりました」と村村選手の言葉を紹介する若狭。
精神的な変化も、今年の飛躍のひとつだそうです。
毎日新しい自分になる
実は開幕前、今年の活躍に至る精神的な大きな変化がありました。
開幕数日前、立浪監督は「ショートにクリスチャン・ロドリゲス選手、セカンドに田中幹也選手」と公言しました。
二遊間を狙っていた村松選手は、二遊間どちらにも選ばれずとんでもなく落ち込んだそうです。
村松選手がとんでもなく落ち込んで出した結論が「1日1日、新しい自分に生まれ変わろう」ということ。
自分でコントロールできる事柄は限られています。悔しいなどの感情は1日寝たら忘れて、そこから出てくる課題に今日向き合おう、という姿勢で日々を過ごしているとか。
若狭「プロに入って昨年はいろんな経験を経て、今年の開幕前にまた衝撃的なことがあった。一皮二皮むけて、今は日々新しい自分になって野球に取り組んでいる村松選手。とっても楽しみです」
プロでやっていくためには、技術だけでなくメンタルも重要だということがよくわかる村松選手のエピソードでした。
(尾関)