中日OB・平田良介、交流戦を戦う秘訣を伝授
プロ野球では、5月28日から交流戦が始まります。25日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、若狭敬一アナウンサーが「交流戦を戦う上でのカギ」について、中日OBの平田良介さんに聞いた話を披露しました。西武ライオンズとバンテリンドームナゴヤで3連戦を迎えるドラゴンズですが、平田さんが指摘する「カギ」とは?
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若狭が中日OBの生涯打率と交流戦のみの通算打率を比較したところ、交流戦通算打率の方が、生涯打率よりも低いOBが多かったとか。
交流戦通算打率の方が最も上回っていたのは、和田一浩選手(現一軍打撃コーチ)。生涯打率が3割3厘ですが、交流戦での生涯打率は3割6厘。どっちもすごい数字です。
NPB公式サイトに載っている26人の終身打率3割打者のうちのひとりです。
今回若狭が話を聞いた平田良介さんは、2022年までのプロ通算生涯打率が2割6分8厘で、生涯交流戦打率は2割7分6厘。和田コーチ同様に交流戦の方が打率が高い選手でした。
データのまんま来る
平田さんに、交流戦における打者としての心得を尋ねたという若狭。
若狭「話をまとめると、ズバリここです。交流戦を戦う上でのカギ、『データのまんま来る』」
各チーム、対戦相手のデータはスコアラーが用意します。平田さんによれば、その裏をかこうとせず、データ通りの対策をすべきとのこと。
またリーグ戦については「トーナメントの短期決戦に近い感覚」ということです。
では「パ・リーグのピッチャーはどんな配球が多いのか?」との質問には「速球ストレートが多い」との答え。
続けて「だからバッターとして裏をかく必要はありません。速いストレートを仕留めるかどうかがカギになります」と語ったそうです。
やっぱ、まんま来るんかい
具体的な例を挙げた平田さん。
試合前のミーティングで「このピッチャーはストレートでカウントを取りに来るので、ストレートが狙い目」とのレクチャーがあったそうです。
そして打席に立つと2球目まではボール球のストレート。そして3球目にボール。
平田さんは、流石にストライクが欲しい3球でストレートは来ないだろうと思い、変化球を狙おうとしていると、来たのはど真ん中。しかも速球のストレートだったそうです。
「なんでそれを初球から投げないんだ?」と思ったほど、パ・リーグの投手は速球のストレートが多いそうで、それはデータ通りだったそうです。
速いストレート対策
交流戦の際、平田さんは速いストレートを仕留めるためにコンパクトにバットを振るようにしていたそうです。
さらに150キロを超えるストレートは普段通りのスイングだと力負けするので、ポイントを前にして引っ張るように打ち返したそうです。
コンパクトに引っ張る。これがパ・リーグ投手の速いストレートの攻略法だとか。
ただポイントを前にするとリスクもあるそうです。
縦に割れるスライダー、フォークボール、とんでもないワンバウンドする球も振ってしまい、不細工な空振りも増えるだそうです。
平田さんはこう振り返ったそうです。
「不細工な空振りもたくさんありました。そんなワンバン、なんで振ってるの?って。でも、速い真っ直ぐをコンパクトに引っ張る意識で捉えた打球も多かったです」
チームで盗塁せよ
「交流戦を戦う上でチームとしてどうすべきか?」という問いに対し、平田さんの答えは「盗塁を仕掛けるべき」とのこと。
「データのまんま来る」はピッチャーの配球傾向だけでなく、牽制の際のピッチャーの癖もそのまま来るそうです。
一塁へ牽制する前の首の振り方や「二塁ランナーへの牽制では脚を上げがち」などといった癖もデータ通り。
だから普段走るランナーと代走はもちろん、クリーンナップの細川成也選手やダヤン・ビシエド選手も「盗塁を仕掛けてもいい」と話していたそうです。
いよいよ交流戦へ
さらに「癖も事前に教えてもらっているから行っちゃえばいいですよ。どんどん盗塁いきましょう。隙を狙っての三盗も面白いと思います」と続けた平田さん。
この姿勢は交流戦後にもいい影響を与えるそうです。「中日が突然走り始めた」というデータがセ・リーグに伝わると、他チームが対策で騒動になるということもあるとか。
若狭「平田さんの話がどこまで影響を及ぼすか分かりませんが、想像をめぐらすのも楽しいじゃないですか」
交流戦の18試合、中日はどう戦うのか?注目しましょう。
(尾関)