初勝利から1か月 二軍で模索する日々が続く中日根尾昂へ鉄腕岩瀬仁紀が送る「救援のアドバイス」
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
反転攻勢の5月

ゴールデンウィークの9連戦を4勝4敗の五分で乗り切ったドラゴンズ。思い出したくもない悪夢のような3、4月も終わり、月が変わった5月3日から明らかに流れは変わった。広島東洋カープ戦の雨天中止が邪気を流し切ってくれたのか、それ以降ドラ1ルーキー中西聖輝投手のプロ入り初勝利や主砲・細川成也選手の好機での一発など投打が噛み合い、ようやく地に足の着いた戦いぶりを見せ始めている。一時は年間100敗を喫するのでは!?と、ため息しか出ない日々を過ごしていただけに安堵したドラファンも多いはず。さあ、反転攻勢!しかしまだまだ借金返済までは長い道のり。これからも一戦一戦しっかり勝ちを拾っていき、なんとかオールスターゲーム前までに勝率5割復帰を果たしてもらいたいものである。
さて今回のサンドラは、番組がずっと追い続けている根尾昂投手の特集。4月8日の横浜DeNAベイスターズ戦で待望のプロ初勝利を挙げてから一か月経った今。無念の二軍降格に根尾投手は何を考え、何を見据えているのか。不甲斐ない現状を真摯に受け止めながら胸中を語った。
天国から地獄

5月6日、根尾昂投手の姿は二軍の本拠地・ナゴヤ球場にあった。およそ一か月前、投手へ転向して5年目にして念願となる初勝利を挙げ、“今年はいける”と思った矢先、その後4試合連続で失点を喫するなどして無念の二軍降格。一時は浮上した勝ちパターン入りの構想も瞬く間に砕け散った。
まさに天国から地獄。
根尾投手は今回の降格となった要因を淡々と口にした。
根尾投手「抑えなければいけない場面で、単純に甘くボールが入って打たれたということです。技術どうこういうのではなく」
課題は制球力。4月、甲子園での阪神タイガース戦で球界を代表するスラッガー森下翔太、佐藤輝明両選手に一発を浴びてから安定を欠くピッチングが続くようになった。
どこかに甘くなってはいけない、もっと厳しく投げないと…抑えなければならない展開でマウンドへ向かう根尾投手の頭の中にはそんな思いが渦巻いていたに違いない。同じミスをしたくないばかりにボールは狙ったコースにはいかず、とんでもないボールとなって打者のもとへと投げ込まれていった。
引き出しは増えたピッチング

苦い思い出となった甲子園での敗戦を喫するまで、根尾投手のリリーフ陣における序列は間違いなく上がっていた。現時点の一軍成績において奪三振数13は投球回数9を上回っているのだ。リリーフピッチャーにとって三振を取れるというのは自身でピンチを防げる最良の手段。根尾投手も昨年より手応えを感じているようだ。
根尾投手「昨年までは真っ直ぐとスライダーだけ。今はフォーク、カーブ、ツーシームを真っ直ぐと組み合わせながら投げられるようになりました」
ピッチャーとしての“引き出し”は増えた。はまった時は打たれる気配はなく、期待は高まっていった。だが好調は長く続かず、結果チャンスを逃す羽目となった。それでも根尾投手はいつもと同じ、“やるべきことをただやるだけ”だと強調する。
根尾投手「(二軍降格の要因も)自分が練習している内容が(悪い結果として)出ていることであり、そこを変えることだけです。チャンスだったと思っている時間はないので」
目指すは“勝ちパターンでの指名”

振り返れば、ドラゴンズ入団以来、根尾投手自身の眼差しが曇ったことは一度たりともなかった。プロ8年目、試行錯誤の日々が続く26歳は今回もまた新しい壁にぶつかった。次に一軍のマウンドで投げる時が来た時、どのような姿になって現れるのか。目指す場所は“勝ちパターン時での指名”。
根尾投手「今、チームは上向きな状態へと上がっています。その中で“行ってくれ!”と言われるピッチャーになりたい。その思いを達成する自分をイメージして練習していきたいと思います」
そして、決意ともいえる言葉を最後に口にした。
根尾投手「どのピッチャーよりも根尾を上げてくれと言われるよう練習をし、自信をもって投げられるよう、抑え続けられるように準備していきます」
伝説の火消しから“救援のアドバイス”

この日、スタジオで特集を優しい眼差しで見つめていたドラゴンズのレジェンドピッチャーがいた。鉄腕・岩瀬仁紀氏だ。打たれたことによって壊れてしまったピッチングをどう立て直していけば良いのか。伝説の火消しは自らの経験から根尾投手へアドバイスを送る。
“悪いなりに抑える投球術を身に着けるべし”
岩瀬氏「状態が悪くても抑えなければならない。投球パターンをいくつも持ち合わせていないと一軍では通用しない」
言葉を変えれば、打者に対し一球一球に何故このボールを投げるのかという意図を持ち合わせること。そしてしっかり投げ切ることができれば、一軍からお呼びがかかるのもそんな先ではないはずだ。
踏まれても、踏まれても、踏まれるたびに強く咲き誇る雑草のように…根尾昂投手の再出発には明るい未来が待っていると願ってやまない。
がんばれ根尾!
がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜










