全長わずか100mの道道737号 北海道「野付半島」の知られざる歴史を道から紐解く旅
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、YouTubeチャンネル「おもしろ地理」でさまざまな道を紹介している、道マニア歴23年のかずまるさんが、地元・北海道にあるイチオシの道を巡ります。
野付半島の歴史を紐解く!標津町を流れる標津川へ
かずまるさんと一緒に旅をするのは、プロギャルのぱにぱにぱにぱにともちんぱさん。
(道マニア・かずまるさん)
「若い人にも道の魅力知ってもらいたいし、北海道の道の魅力を存分に伝えたい。今日案内したいのは、北海道の東の端にある『野付(のつけ)半島』」
両側に海が広がる細長い全長30キロの野付半島には、かずまるさんとっておきの道があるそう。
(道マニア・かずまるさん)
「道道950号が走っていて、その先も砂利道になっているので歩いて先端まで行ける」
釣り針のような独特な地形が特徴で、2人は野付半島の先端を目指すことに。なぜ変わった地形になったのか?先端には何があるのか?道を巡りながら、野付半島の知られざる歴史を紐解きます。
(道マニア・かずまるさん)
「野付半島を知るにあたって、行った方がいい道がある。まずはそちらを紹介したい」
野付半島とその周辺の歴史を知ってもらうために、紹介したい場所があるというかずまるさん。最初に2人が訪れたのは、野付半島の根元にある標津町(しべつちょう)。標津川が流れており…
(道マニア・かずまるさん)
「蛇行していた川を治水のために直線化したが、また蛇行に戻すという蛇行復元をした川」
もともと蛇行していた標津川は、洪水対策のため1960年代に直線化する工事が行われましたが、真っ直ぐにしたことにより本流から分断された三日月湖が至る所にできてしまい、標津川の生態系に変化が起こりました。
特に標津町は古くからサケの聖地と言われ、オホーツク海から標津川を遡上して産卵しいていたサケの生態系が崩れることを懸念。自然環境を取り戻すために再度工事を行い、一部の蛇行を復元したという珍しい歴史を持っています。
100mしかない「北海道道737号標津停車場線」
続いて2人は、標津川の南へ。「標津の街中に面白い道がある」とかずまるさん。訪れたのは、標津町の中心部。
(道マニア・かずまるさん)
「ここから道道737号。国道244号とぶつかって終わり。全長100mくらい」
一般的に都道府県道は、数キロから数十キロの道路に指定されることが多いところ、道道737号はたった100mしかないにも関わらず道道に指定されています。
(道マニア・かずまるさん)
「正式名称は、『北海道道737号標津停車場線』。停車場線というのは、昔駅があった場所と近隣の国道を結ぶ道のことで、かつてここには根室標津駅があった」
昔から野付半島と標津町周辺は漁業が盛んで、根室湾でとれた海産物を鉄道で運ぶために多くの人が根室標津駅を利用していたそう。そんな地域の主要駅と主要道路を結ぶ道が造られ、距離が短くても重要な道だったため北海道が管理する道道に指定されました。
しかし、次第に過疎化が進み、1989年に廃線。それでも、すぐ近くには当時の蒸気機関車やレール、方向転換のために使われた転車台が展示されており、地域の人に愛されていたことが分かります。
2人は道道737号をあとにし、国道244号から道道950号に進んでいよいよ野付半島の先端を目指します。
(道マニア・かずまるさん)
「今までは標津町を走っていたが、あの看板から別海町(べつかいちょう)に入る。でも、この先に別海町の町があるわけではなく、先端だけ別海町の飛び地」
標津町の南に隣接する別海町が分断され、野付半島の先端だけ離れた状態にあると言うかずまるさん。次回は野付半島の道を巡りながら最先端へ!先端に眠る謎の痕跡から、知られざる歴史を紐解きます。
2024年12月10日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より