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日本一、圧を感じる隧道!? 鍾乳洞を転用した「羽山第二隧道」 ベンガラ色の集落の発展に貢献した「とと道」とは

日本一、圧を感じる隧道!? 鍾乳洞を転用した「羽山第二隧道」 ベンガラ色の集落の発展に貢献した「とと道」とは
CBCテレビ『道との遭遇』

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、岡山県にあるベンガラ色の集落の発展に貢献した道を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)

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ベンガラ色の集落の発展に貢献した「とと道」

CBCテレビ『道との遭遇』

岡山県の西に位置する高梁(たかはし)市の吹屋地区には、瓦や壁が“ベンガラ色”で統一された集落があります。この地区には江戸時代から昭和47年まで銅が採掘できる吉岡銅山があり、採掘された赤い錆の成分を含む硫化鉄鉱を材料に、赤い顔料の「ベンガラ」が日本で最初に生産されました。

九谷焼や輪島塗の漆器など、伝統工芸品にも使われた吹屋のベンガラは全国に広まり、最盛期は日本の95%のシェアを誇りました。

建物にもベンガラが使われたこの集落は日本遺産に認定され、現在は「吹屋ふるさと村」として観光地に。商売で財を成した豪商の邸宅は今も残されており、この集落は「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。

CBCテレビ『道との遭遇』

集落の中央を走る道は、江戸時代以前から使われていたそう。約60km南の瀬戸内海に面した笠岡市に繋がっており、行きはベンガラや鉱石を届け、帰りは瀬戸内海の新鮮な魚(=とと)を運んでいたことから「とと道」と呼ばれ、吹屋の発展に大きく貢献しました。

日本一、圧を感じる隧道!?鍾乳洞を転用した「羽山第二隧道」

CBCテレビ『道との遭遇』

江戸時代から大正時代頃まで使われていた「とと道」は山越えが過酷だったため、それを解消するべく昭和初期に隧道を掘って造られた道が、現在の岡山県道300号。この県道にある隧道が、「他では見られないすごい姿をしていて、日本一圧を感じる」と道マニアは言います。

集落から県道300号を南下すると、巨大な岩をくり抜いた形をした「羽山第二隧道」が出現。もともとあった鍾乳洞を生かして造られたこの「羽山第二隧道」は、大正3年に着工。しかし、鍾乳洞を削って道を通すという難工事がゆえ、何度も中断。15年後の昭和4年に、ようやく開通しました。

命綱で上から吊るされた状態で石を掘った記録も残されているそうで、「鉱山で栄える吹屋の町と、瀬戸内の商業圏を結ぶために、どうしてもこの道が必要だった。だから、命懸けでも造らなければという思いがあった」と道マニア。隧道内の壁面には、人力で削ったと思われる跡が見られます。

CBCテレビ『道との遭遇』

「羽山第二隧道」の坑門近くには「穴小屋略図」と書かれた看板があり、隧道内を走る道の反対側に鍾乳洞(=穴小屋)が続いていることを表しています。

9月24日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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