一般公開は年に2回だけ!愛知県「旧国鉄中央本線の廃線跡」に残る「愛岐トンネル群」とは
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、愛知県の庄内川沿いに眠る“旧国鉄中央本線の廃線跡”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
年に2回だけ一般公開される旧国鉄中央本線の廃線跡
愛知県春日井市の庄内川沿いにあるJR定光寺(じょうこうじ)駅近くには、現役の中央本線と並行して旧中央本線の廃線跡があります。
明治33年(1900年)、国鉄中央本線の名古屋と岐阜の多治見間が開通し、戦後の経済発展の大動脈として活躍。しかし、線路の複線化によって新しいルートができたことで、かつての中央本線は昭和41年(1966年)に廃線となりました。
路線の県境付近にはトンネルが13か所も連なる「愛岐トンネル群」があり、整備された遊歩道になっているのは「3号トンネル」から「6号トンネル」までの1.7kmの区間。現在、国の登録有形文化財にも指定されています。
普段は立ち入り禁止エリアですが、年に2回だけ一般公開され、期間中は誰でも「愛岐トンネル群」を間近で堪能できます。
重厚なレンガ造りの「愛岐トンネル群」
トンネル内部は、5重巻きのレンガ造りで重厚感があります。「一般的な道路は2重巻きだったり、重厚な造りでも4重巻きはあったりするが、5重巻き構造は鉄道ならでは」と道マニア。
さらに、崩れやすい場所に造られた「6号トンネル」の入口は7重巻きで、より頑丈な構造になっています。
落石から守るため、トンネルの外に造られた防護柵には古いレールが再利用されており、当時のまま保存されています。
また、強度を高めるために地中に造った底部の逆アーチ部“インバート”の一部を見ることができ、当時の高い技術がうかがえます。
水路を歩けるレンガ造りの「笠石洞暗渠」
「4号トンネル」を通り抜けた先には、地中深くにあるレンガ造りの「笠石洞(かさいしぼら)暗渠」が存在。
明治33年、線路を守るために山から流れてくる水を地下に移して暗渠化したそうで、かなり深くまで掘り下げられた竪坑を井戸のように覗き込むことができます。
昭和時代に補強され、現在は暗渠道の中に入って水路を歩くことも可能。水路の突き当りからは、竪坑を仰ぎ見ることができます。
3月26日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より