年に2回だけ公開される立ち入り禁止エリア 遊歩道と化した愛知県「旧国鉄中央本線の廃線跡」に特別潜入
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴26年の鹿取茂雄さんが、愛知県の庄内川沿いに眠る“旧国鉄中央本線の廃線跡”を巡ります。
旧国鉄中央本線の廃線跡に残る「愛岐トンネル群」
鹿取さんと一緒に旅をするのは、プロギャルのぱにぱにぱにぱにともちんぱさん。2人が訪れたのは、愛知県春日井市。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「今日は、廃線跡のトンネルに行きたい。国鉄時代の中央本線が走っていたところに、いくつもトンネルが連なっていて、今は遊歩道になって道として機能している」
庄内川沿いのJR定光寺(じょうこうじ)駅近くには、現役の中央本線と並行して旧中央本線の廃線跡があります。明治33年(1900年)、国鉄中央本線の名古屋と岐阜の多治見間が開通し、戦後の経済発展の大動脈として活躍。しかし、線路の複線化によって新しいルートができたことで、かつての中央本線は昭和41年(1966年)に廃線となりました。
路線の県境付近にはトンネルが13か所も連なる「愛岐トンネル群」があり、現在その一部は遊歩道として整備され、国の登録有形文化財にも指定されています。
普段は立ち入り禁止エリアで、一般公開は年に2回だけ。今回特別に入らせてもらえることになり、2人は「愛岐トンネル群」を目指します。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「見えてきました。これが3号トンネル」
13か所あるトンネルの中で遊歩道になっているのは、「3号」から「6号」までの1.7kmの区間。一番手前にある通称「3号トンネル」は、内側が5重巻きのレンガ造りで重厚感があります。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「一般的な道路は2重巻きだったり、重厚な造りでも4重巻きはあったりするが、5重巻きなのは鉄道ならでは」
落石から守るため、トンネルの外に造られた防護柵には古いレールが再利用されており、当時のまま保存されています。
水路を歩ける暗渠道!?地中深くにあるレンガ造りの「笠石洞暗渠」
「3号トンネル」の先にある「4号トンネル」も、レンガが5重巻きの構造。「昔は構造だけじゃなく意匠性にもこだわっている」と鹿取さんは言います。「4号トンネル」を通り抜けると…
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「こんな深いところに暗渠がある」
現れたのは、地中深くにあるレンガ造りの「笠石洞(かさいしぼら)暗渠」。線路を守るために山から流れてくる水を地下に移して暗渠化したのだとか。昭和時代に補強され、現在は暗渠道の中に入って水路を歩くことができます。
遊歩道の最後にある「6号トンネル」は崩れやすい場所に造られたため、入口は7重巻きで頑丈な構造。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「インバートが、難工事を物語っている」
強度を高めるため、地中に造った底部の逆アーチ部“インバート”の一部を見ることができ、当時の高い技術がうかがえます。
「6号トンネル」を抜けて振り返ると、「左右対称、完璧に見える唯一の場所。これは圧巻!」と鹿取さん。山肌が開けた場所にある「6号トンネル」の美しい全貌に、ともちんぱさんも感動するのでした。
3月26日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より