伊豆半島の廃道に残る謎の神社 大地震で廃道化した旧国道の歴史とは
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、静岡県にある“大地震で国道の名を外された伊豆の廃道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)※安全対策をしてロケをしています。廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。
伊豆大島近海の地震で廃道化 旧国道135号の歴史とは
伊豆は古くから観光地として名高いですが、火山活動が活発なエリアでもあります。そのため地震が多く、廃道になってしまった道も少なくないそう。伊豆半島の東海岸沿いを走っていたかつての国道135号も被災によって国道の名を外され、廃道となった道の一つです。
昭和53年(1978年)、マグニチュード7を記録し伊豆半島の東部を中心に甚大な被害をもたらした“伊豆大島近海の地震”。当時の国道135号は修復不可能なほど崩落したため、代わりにもともとあった東伊豆道路が新たに国道として認定され、現在の国道135号に。かつての国道135号は廃道となりました。
廃道区間には今も、昭和3年(1928年)竣工の「黒根(くろね)隧道」、昭和4年(1929年)竣工の「城東(きとう)隧道」、昭和3年(1928年)竣工の「白田(しらた)隧道」の3本の隧道が眠っています。
隧道の一部は崩落して通り抜けることができず、隧道の入口にも土砂が流れ込んでいる状態に。「白田隧道」の入口付近はコンクリート製に対し、真ん中の部分だけが素掘りの構造になっています。
廃道に存在する「ハサミ石神社」の鳥居と「はさみ石」
「黒根隧道」と「城東隧道」の間には、廃道になって46年経つ場所にも関わらず赤い鳥居が存在。比較的新しく、鳥居には「ハサミ石神社」と書かれています。また海岸沿いには、数十万年前の溶岩流が固まり、波の浸食を受けて形成されたという2つの大きな「はさみ石」がそびえ立っています。
地元の方の話によると、「はさみ石」はかつて多くの人が訪れるほどの名所だったそう。しかし、周囲が廃道となり訪れる人は減少。そこで、「はさみ石」を観光名所にしようと、10年がかりで新しく道を造って行けるようにしたとのこと。2年前に赤い鳥居を造り直したり、道を整備したりと今も地元の方が支え続けています。
3月19日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より