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飛鳥時代から続く古道 国道368号のルーツとなった伊勢神宮への道と未成道を巡る旅

飛鳥時代から続く古道 国道368号のルーツとなった伊勢神宮への道と未成道を巡る旅
画像:CBCテレビ『道との遭遇』

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、バイクで日本を2周したこともある道マニア歴27年の松村真人さんが“伊勢神宮にまつわる道”を巡ります。

国道368号は伊勢神宮へつながるかつての街道「伊勢本街道」

画像:CBCマガジン『道との遭遇』

松村さんと一緒に旅をするのは、一般の女性。

(道マニア・松村真人さん)
「国道368号の酷道区間を紹介したい。昔は伊勢神宮に通うための参道だったが、今では国道に指定されている」

三重県伊賀市から少しだけ奈良県を経由し、三重県多気町までをつなぐ国道368号。かつては伊勢神宮に通じる重要な道「伊勢本街道」として、多くの人が往来していました。

その中にある仁柿峠(にがきとうげ)に続く区間は“酷道”と言われており、5kmほど過酷な道が続きます。さらに、その仁柿峠には松村さんがどうしても見せたい光景があるそう。2人は、三重県松阪市にある仁柿峠を目指します。

画像:CBCマガジン『道との遭遇』

(道マニア・松村真人さん)
「その道は飛鳥時代、当時の三重の名産“水銀”を運ぶため、頻繁に利用されていた古い産業道路だった」

黄金の仏像などに塗られる合金の材料として、水銀をのちの「伊勢本街道」となるルートで三重から奈良まで運んだとされています。櫃(ひつ)に水銀を入れて運んでいたことから、「櫃坂道(ひっさかみち)」とも呼ばれているそう。

松阪市を走る国道368号を進み、いよいよ酷道区間へ。次第に道幅が狭くなり、路面の状態も悪い険しい道が続きます。酷道を走ること15分、仁柿峠に到着。現れたのは、文字が書かれた木製の看板。

画像:CBCマガジン『道との遭遇』

(道マニア・松村真人さん)
「昔の宿場町の名残」

江戸時代、この道は伊勢神宮参拝者で多くの人が往来していたことから、仁柿峠に複数の宿屋“旅籠(はたご)”が建ち並び、宿場町として栄えました。その名残の看板が仁柿峠に残されており、当時の賑やかさがうかがえます。

2034年に完成予定 仁柿峠にある未成道

画像:CBCマガジン『道との遭遇』

仁柿峠には、国道368号の下を立体交差する未完成の道があります。

(道マニア・松村真人さん)
「この未成道を見せたかった。トンネルと橋を造って酷道区間を一気に渡る計画があるが、まだ途中までしかできていない」

1990年、酷道区間を解消するため、国道368号のバイパス化を計画。その際に、山の斜面に沿って道路を造るか、長大トンネルを建設するか、2つの選択肢があり、予算のかからない山の斜面に沿って道を造ることが決定。

画像:CBCマガジン『道との遭遇』

しかし、工事を進めていくと問題が発生。仁柿峠付近を含めた一帯の地質は脆弱で、地滑りや斜面崩壊の恐れがあるため、道路の法面(のりめん)対策に費用と時間がかかり工事が中断。

その結果、新たにトンネルを造るルートに計画は変更。少しずつ工事は進んでいるものの、着工から34年経った今でも完成していません。順調に工事が進めば眠っている未成道とつながり、2034年に完成予定とのことです。

3月12日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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