キツい運動は一切ナシ!痩せる身体に…“ニート生活”で「基礎代謝」をアップさせる方法
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身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、早稲田大学 人間科学学術院 体温・体液研究室 教授 医学博士 永島計先生です。
今回のテーマは「〜今こそ痩せどき!?〜基礎代謝を上げる!ニート生活」
厚着になる冬。ボディラインを気にせず、寒さで身体もなまり体重が増えてはいませんか?もし、そのまま肥満が進めば生活習慣病のリスクも上がってしまいます。しかし、冬の今こそ実は痩せどき!身体を温める熱が必要な寒い冬は、基礎代謝が上がりやすい傾向にあるため、消費するエネルギー量も増加。つまり、今の時期は脂肪を燃焼させやすく、痩せやすい身体になっているともいえるそうです。さらに、基礎代謝を上げると、肩こり・冷え性の改善・風邪の予防など様々な不調に対するメリットもあるのだとか。そこで今回は、基礎代謝をアップさせる方法を専門医に教えてもらいました。
基礎代謝の基礎知識
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<基礎代謝とは?>
基礎代謝とは、内臓や筋肉で使われている生命維持のために最低限必要なエネルギーのこと。基礎代謝の低下で起きる不調には、「疲れやすい」「手足が冷える」「生理不順」「低血圧」「便秘」「肌荒れ」などがあるそうです。
<平均基礎代謝量(kcal/日)>
※各年代の平均体重をもとに算出
18〜29歳 男性:1490 女性:1130
30〜49歳 男性:1570 女性:1170
50〜64歳 男性:1510 女性:1120
65〜74歳 男性:1390 女性:1090
75歳以上 男性:1310 女性:1020
キツい運動は一切ナシ!基礎代謝を上げるニート生活
基礎代謝を上げるための基本は「運動」と「食事は1日3食ちゃんと摂る」ことですが、ポイントは「ニート生活」だそうです。
<「ニート(NEAT)」とは?>
ニートとは「非運動性熱産生」。運動以外の家事・仕事・趣味の活動・外での移動など日常の生活で消費されるエネルギーのことを言います。1日に消費される総エネルギーは、基礎代謝が約6割を占め、2番目に多いのがニート。そのため、ニートを増やせば総エネルギー消費量も増え、さらにその生活を続けると基礎代謝の上昇にもつながるそうです。
<基礎代謝アップの肝は「心拍数」>
代謝アップの肝となるのが心拍数。暮らしの中で心拍数を上げる行動を繰り返す事で基礎代謝が上がっていくそうです。番組で心拍数を計測したところ、網戸掃除・家具の組立・靴磨き・掃除機がけ・早歩き・階段を使う・洗面所掃除・お風呂掃除・カラオケなどでも、安静時に比べて心拍数が上がっていました。
<ニート生活が基礎代謝アップにつながるのはなぜ?>
ニート生活が基礎代謝アップにつながる鍵は「ミトコンドリア」。ミトコンドリアは、身体中の細胞の中にいるエネルギーを生み出す発電所のようなもの。人は、身体を動かしたり食べ物を消化したり、色々なことにエネルギーを使っていますが、そのエネルギーを生み出しているのがミトコンドリア。1つの細胞に100〜3000個ほどおり、その数は心拍数が上がる行動を続けることで増えるのだとか。ミトコンドリアの量が増えると、代謝の量も増え、基礎代謝の上昇につながるそうです。
<ポイントは「有酸素運動」>
ミトコンドリアのなかでも、特にエネルギーを生み出しているのが、筋肉の細胞内のミトコンドリア。ジョギングなどの有酸素運動をすることでも、細胞1つ1つの中にあるミトコンドリアの数が増え、基礎代謝を上げてくれる筋肉になるそうです。一見筋肉が少なく見えるマラソンランナーや駅伝選手は基礎代謝が高いと言われていますが、それは日々の有酸素運動でミトコンドリアの多い筋肉になっているからなのだとか。先生によると、心拍数が上がるニート生活も有酸素運動の一種。1つ1つは軽い運動でも、積み重ねればミトコンドリアは増えていくそうです。
<基礎代謝を上げるメリット>
・太りにくい
・免疫力アップ
・身体のコリ改善
・冷え・むくみの改善
・美肌効果
先生によると、基礎代謝がアップすると、皮膚・口・鼻など外気と接する部分の血流が良くなるとのこと。すると、皮膚から出る免疫物質も増加するので感染症予防につながるそうです。また、血流が良くなると筋肉や皮膚にたまった老廃物が流されるので、肩こりや腰痛の改善につながるのだとか。さらに、血流がアップすると冷えやむくみが改善したり、肌の細胞の新陳代謝(ターンオーバー)も良くなったりするそうです。
基礎代謝アップにつながる食事術!キーワードは「DIT」
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<基礎代謝アップのポイントは「DIT」>
DIT(食事誘発性熱産生)とは、食事をすると身体が温まる現象のこと。摂取した食べ物を消化・吸収する際に消費されるエネルギーで、「食事をする」という行動自体に代謝を上げる作用があるそうです。
<DITを高める食材>
(1)香辛料
「唐辛子」「ショウガ」「黒コショウ」それぞれに含まれる栄養素には、代謝を促し体温を上昇させる働きがあります。それにより血流がアップし、基礎代謝を上げてくれるそうです。また「ニンニク」に含まれるアリシンには、糖からのエネルギーの産生を促進する効果があるのだとか。例えば、炒め物にショウガやコショウを加える、うどんや豚汁に七味を振るなど、香辛料を加えるひと工夫が代謝を上げる1つのポイントだそうです。
(2)たんぱく質
肉や豆腐などのたんぱく質は、アミノ酸が結合した複雑な構造をしているため、他の栄養素よりも消化・吸収する際のエネルギー量が多くなります。さらに、たんぱく質は筋肉の材料でもあるため、基礎代謝を上げることにつながるそうです。
<DITを高める行動>
基礎代謝の上昇につながるDITを高める行動は「ゆっくり噛んで食べる」こと。噛むと、レプチンという代謝を上げるホルモンが分泌されるそうです。実際に、早稲田大学などの研究で早く食べるよりもゆっくり噛んで食べた方が、DITが増加。さらに、その状態が食後90分続くことが分かったのだとか。また、食事をした後にガムを噛むことでもDITが増加する時間が持続するそうです。
(2025年2月23日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
番組紹介
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