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意外と知らない健康診断の真実!

意外と知らない健康診断の真実!

サマリーSummary

ゲスト:岡田圭右
ドクター:日本大学病院 健診センター長 循環器内科診察 教授 医学博士 谷樹昌
1年に1度の健康診断、異常なしだと思って放っておいていませんか?実は、健康診断は正常値内でも注意が必要な項目があるので、判定だけ見るのではなく正常値のどの辺りにあるのかを知る事が大切なのだとか。そこで、今回のテーマは「意外と知らない健康診断の真実!」。名医おすすめのオプション検査もご紹介します。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「〜基準値内でも安心できない!?〜意外と知らない健康診断の真実

1年に1度の健康診断、異常なしだと思って放っておいていませんか?実は、健康診断は正常値内でも注意が必要な項目があるので、判定だけ見るのではなく正常値のどの辺りにあるのかを知る事が大切なのだとか。そこで、今回のテーマは「意外と知らない健康診断の真実!」。名医おすすめのオプション検査もご紹介します。

「健康診断」と「人間ドック」の違いは?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

健康診断とは、法律に基づき、職場で受ける事を義務付けられた簡単な検査の事。人間ドックは検査項目が多く、病気の早期発見・早期予防が目的となっています。先生によると、健康診断は年に1度受ければOK。毎年同じ時期に決めて受ける事が大切だそうです。

知っておきたい健康診断の真実(1)基準値内でも注意が必要な項目も!

健康診断では一般的に数値が高いと悪いというイメージがありますが、尿酸値やγ-GTP(γ-GT)などは数値が低すぎても安心できない場合があるそうです。

・尿酸値
尿酸値は、高すぎると痛風の原因になる事がよく知られていますが、低すぎると腎性の低尿酸値血症という病気になる事があるそうです。

・γ-GTP(γ-GT)
γ-GTPは、最近ではγ-GTと呼ばれアルコール摂取に反応して増える物質。肝機能障害の指標として知られています。γ-GTはたんぱく質が腸でアミノ酸に分解され、それを材料にして肝臓で生成されているので、たんぱく質が不足するとγ-GTの分泌量も減る傾向にあるのだとか。たんぱく質が不足すると筋肉が落ちてくるので、フレイルにつながる恐れがあるそうです。フレイルとは、「健康」と「要介護・寝たきり」の間の事で、放置すると介護が必要になる可能性が高いといわれています。

〜たんぱく質を意識して摂る事が大切〜
γ-GTが低下する主な原因は、たんぱく質が少なめの食事。基準値内であっても低すぎる場合は、食生活を見直してみましょう。先生曰く、大切なのは肉や魚を意識して摂る事。手のひら1つ分のサイズがたんぱく質20g程度になるので、これを1日3食摂るのがおすすめ。毎食肉と魚を摂るのが難しい場合は、大豆や牛乳などで摂るようにすると良いそうです。

知っておきたい健康診断の真実(2)毎年の数値の変化に注意する

先生によると、健康診断は基準値内であっても現在と過去の結果を見比べて、毎年の数値の変化に注意する事も大切だそうです。

・血糖値が徐々に増加している場合
血液中の糖は主に筋肉で消費されています。そのため、運動不足などで筋肉量が減ると糖の代謝が悪くなり、血糖値が上がりやすくなってしまうのだとか。血糖値がA判定でも徐々に上がっている場合は、肥満や筋力低下が進み糖尿病に近づいている可能性があるそうです。

・BMIが徐々に増加している場合
BMIとは、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数の事。先生によると、女性の場合BMIが基準値であっても体重が徐々に増えていると、脳卒中のリスクが上がってしまうのだとか。実際に日本で行われた45歳〜74歳の男女を対象にした調査では、BMIの高低に関わらず、5年間で10%以上体重が増えた女性は、体重変化が±3%以内の人と比べ脳卒中の発症リスクが1.49倍高い事がわかったそうです。特に女性は中高年以降、女性ホルモンの減少によって体重が増えやすい傾向にあるそうなので、体重の増加に気をつけましょう。

名医に聞いたおすすめオプション検査

<消化器の専門家おすすめ(1)胃がんのリスクがわかる「ABC検診」>
現在がんの部位別罹患率2位、死亡率3位となっている胃がん。その9割は、ピロリ菌に感染している人に起こっているそうです。先生によると、ピロリ菌に感染して胃の炎症が進むと胃がんのリスクが高くなってしまうのだとか。そこでおすすめなのが「ABC検診」。採血を行い4日程度で、ピロリ菌感染の有無と炎症の進行度がわかるそうです。ピロリ菌の除菌は早い方が胃がんのリスクも下がるそうなので、気になる方はぜひ一度検査を受けてみてください。

<脳卒中の専門家おすすめ(2)動脈硬化を早期に見つける「頸動脈エコー検査」>
「頸動脈エコー検査」とは、超音波を使って首にある頸動脈の状態を調べる検査。先生によると、動脈硬化の初期の変化を感度よく見つけられるので、脳ドックなどでMRIに異常が出る前に、動脈硬化に気づく事ができるのだとか。動脈硬化のリスクがあるといわれる、高血圧・糖尿病の方、コレステロール値の高い方、喫煙習慣のある方などは、ぜひ一度受けておくと良いそうです。

<肝胆膵外科医おすすめ(3)生活習慣病から腫瘍まで「腹部エコー検査」>
「腹部エコー検査」とは、超音波を使って肝臓・胆のう・すい臓などの状態を見る検査。胆石・脂肪肝などの生活習慣病を見つけたり、腫瘍を見つけたりする事ができるそうです。腹部には自覚症状が出にくい臓器が多くあるので、命に関わる事態を避けるためにも早めに見つける事がとても大切。先生曰く、がんの発見率が上がる50歳以上の方におすすめの検査だそうです。

(2022年3月6日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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