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竜の最強守護神・松山晋也の圧倒的な結果とオリジナルで丁寧な姿勢

竜の最強守護神・松山晋也の圧倒的な結果とオリジナルで丁寧な姿勢
「サンデードラゴンズ」より松山晋也投手(C)CBCテレビ

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

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『熊を倒す!』『コモドドラゴンになる!』など真剣な眼差しで、予想外の発言で我々を驚かせるも、今シーズンから新守護神として活躍している松山晋也投手。今回のサンドラは、そんな松山投手の特集でクローザー就任についての素直な思いに迫った。マウンド上とは打って変わって言葉を仔細に考えて答える様子がうかがえるインタビューに注目。それでは早速振り返る!

松山にとってのクローザーという存在とは?

「サンデードラゴンズ」より松山晋也投手(C)CBCテレビ

「僕の特集なんですか?」と聞く松山投手に、「素晴らしい成績を残しているから。」と理由を答えるも、「まだでしょ。」とシーズン序盤の状況だけでは決して満足しない態度を表明した。とはいえ、5月17日現在でリーグトップの14セーブは評価されるべき成績で、チームとしての16勝のうち、14セーブと勝利を決定付けるのに欠かせない存在であることは確かだ。そんな松山投手にとってクローザーという存在はどのようなものだろうか?

「抑えて当たり前のポジション。横綱みたいな、勝って当たり前みたいな。まだまだ足りないですね、まだ大関くらいかな。」

去年までの守護神、ライデル・マルティネス投手が読売ジャイアンツに移籍したこともあり、プロ1年目からの目標であったクローザーの大役を任された。

「サンデードラゴンズ」より松山晋也投手とライデル・マルティネス投手(C)CBCテレビ

「ライデルさんが圧倒的だったので、そこに近づく、越えるようにやらないといけない。」

松山投手と同じく育成選手から支配下登録を経て、絶対的な守護神に上り詰めたライデル・マルティネス投手は手本であり、背中を追いかけてきた存在でもあった。

「ライデルからは、野球の取り組む姿勢を学べたので、ライデルを越えるためにやってきたので、ずっと目指してきた場所だった。」

目標からライバルへ…ライデル・マルティネスから託された言葉

その目標に向かって前進を続ける松山投手は、ライデル・マルティネス投手とのセーブ数争いで僅差ながらも上回る成績を残している。憧れから、ライバルとなったライデル・マルティネス投手は間近で見ていた松山投手の活躍を確信していた。

ライデル・マルティネス投手「素晴らしい投球をしていると思うし、初めてのクローザーという立場でここまでやっているのはすごいと思う。松山は本当に素晴らしい投手だから、このまま良い投球を続けてほしい。セーブ数は松山がトップだけど、僕もチャンスがあればしっかり自分の仕事をしてセーブを積み重ねていきたいね。」

去年のオフ、ジャイアンツへの移籍を決めた際にライデル・マルティネス投手からもらった言葉を松山投手は明かした。

「サンデードラゴンズ」より松山晋也投手(C)CBCテレビ

「ライデルから『お前がクローザーになるんじゃない?』と言われ、『だから頑張れ!』と。そこに対しては『いや、当たり前だろ笑』みたいに思いつつも、そこ(クローザー)しか目指してなかったので。」

松山投手にとって、明け渡されるかたちになったことに少しの悔しさのようなものも感じさせつつ、しっかり成績で負けていないことを示して、自分の理想に向かって猛進する力強さが感じられる。比較評価ではなく最強を目指す松山投手にとって、「クローザーになる」ということは一つの過程だということを感じさせた。

ライデル・マルティネス投手「松山は素晴らしい投手だし、去年シーズンを通して8回を投げて素晴らしい成績を残したのでクローザーもできると思っていた。何度も言うけど、松山は本当に本当に本当にすごい投手。このまま、良い投球を続けて良い時も悪い時もあると思うけどドラゴンズファンは応援してあげてください。僕もドラゴンズにいた時はいつも応援してもらっていたから。松山がいいシーズンを過ごせるように願っているよ。」

ジャイアンツ移籍に苦い気持ちを持つファンは多いと思うが、間近で松山投手の凄さを感じて素直に認められる関係に熱いものを感じる。そしてシーズン終わりにはライデル・マルティネス投手にそんな余裕がなくなるほど、松山投手が圧倒的な力で結果を残すことを期待したい。

「サンデードラゴンズ」より松山晋也投手(C)CBCテレビ

「ライデルに負けるつもりはないので、素晴らしい舞台で最多セーブ争いができることに感謝しています。1試合1試合たくさんの声援をいただいて、ベストコンディションで臨めるように準備していくので、これからも応援よろしくお願いします。」

『ガンギマリ』と言われるほどの表情、パフォーマンスに加えて、圧倒的な集中力と、力強い球といったイメージが先行しているが、インタビューでは言葉のニュアンスを吟味して自分なりの哲学で咀嚼するような受け答えに、野球に対する丁寧で徹底した姿勢が見られた。発言やエピソードからは異端と捉えられがちだが、それは地道に人任せにしない判断を積み重ねた時間の結晶なんだろうと感じられた。

昨シーズン、ライデル・マルティネス投手はチームの勝利数60に対して、セーブ数43と接戦での勝利が多いドラゴンズならでは。割合としてセーブ王の中でも過去一番高い72%だった。一方、松山投手は5月17日現在でチームの勝利数16に対して、セーブ数14で88%という驚異的な割合を誇っている。セットアッパーの起用マネジメントはされていても、クローザー初年度にしてハードな起用が続くなかでここまでセーブ失敗もなく着実に積み上げられた結果というのは、才能と松山投手の生き様の結晶であると言える。そのエネルギーを優勝という場で発揮させて、見たことのない景色を見せてほしい。そんなポテンシャルを秘めたドラゴンズと松山投手の幸運を祈る。

澤村桃


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