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逆襲へ投打のキーマン2人は明治大学の元キャプテン~愛しのドラゴンズ!2025

逆襲へ投打のキーマン2人は明治大学の元キャプテン~愛しのドラゴンズ!2025
柳裕也投手(C)CBCテレビ

井上一樹新監督を迎えたドラゴンズ、年が明けて、いよいよ新しいシーズンを迎える。来年には球団創設90周年という節目を迎える中、チームは3年連続最下位と、かつてない低迷期にある。ファン誰もが待ち続ける優勝ペナント奪還なるのか。年の初めの『愛しのドラゴンズ!2025』は、投打のキーマン2人にスポットを当てる。(敬称略)

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投打の期待は明治大の主将

毎年のことだが、ファンの立場として、その年に期待する選手は誰かと考える。2025年(令和7年)は、投の柳裕也、打の村松開人、この2人が頭に浮かんだ。実はどちらも明治大学の出身であり、それぞれの時代でキャプテンとしてチームを優勝に導いている。ドラゴンズには、大エースだった杉下茂さん、星野仙一さん、そして川上憲伸さんなど“明治大学の系譜”によって名選手が生まれたが、柳と村松、この2人に“逆襲の旗手”になってもらいたい。

柳裕也の“不完全燃焼”

柳裕也投手(C)CBCテレビ

投手で最も期待するのは柳裕也である。なぜか?本人にとっての“不完全燃焼”だったシーズンが続いているからである。特に、初めての開幕投手をまかされた2024年は、小さなボタンのかけ違いが、大きな不振に結びついたのではないだろうか。開幕ゲームは、田中幹也のプロ入り初ヒットから先制し、中田翔の同点ホームランも出て、いい流れのゲームだっただけに、この開幕戦を勝って、柳自身に勝ち星がついていれば、柳もチームも波に乗れたはずだった。

歯車がずれた開幕直後

柳裕也投手(C)CBCテレビ

惜しいゲームも多かった。4月25日の東京ドームでの讀賣ジャイアンツ戦で、先発した柳は巨人打線を5回までパーフェクトに抑えていた。しかし、坂本勇人に逆転3ランを浴びて敗戦投手となる。その前の週から「中6日」のローテーションが「中5日」に変わっていた。開幕投手をまかされた柳自身も、エース級と投げ合う金曜日の登板に、気合いが入っていたはず。開幕早々のローテーション繰り上げが、その投球に微妙に影響しなかったのか。それが6月、まさかの2軍落ちへとつながっていった。

投手陣のリーダーとして

柳裕也投手(C)CBCテレビ

今年には国内FA権を取得する予定の柳は、球団からの複数年契約打診を受けた契約更改後の会見で「反省も沢山した」と語った。若手中心の沖縄秋季キャンプに30代ではただひとり参加した。「自分の立場は自分がよく分かっている」との言葉が重い。選手会長の役職は後輩に譲ったものの、チームリーダーであることは自他ともに認める立場だ。ストレートとコントロールに磨きがかかれば、その好投はすぐに戻るであろう。“不完全燃焼”だった日々は、新監督の下で過去の分も含めて“完全燃焼”に変わるはずである。

村松開人の写真が手元に

打者で最も期待するのは村松開人である。実は、昨シーズン最終盤に名前が浮かんでいた。9月23日、バンテリンドームでは「サンクスシリーズ」と称して、入場者に選手のブロマイドが配られた。「来季のキーマンは誰かなあ」と考え、入場口で「村松開人だ」と閃いた。その直後に裏向きで手渡された写真をひっくり返して表側を見たら、背番号「5」村松の打撃シーンが「感謝」という直筆の言葉と共にあった。まさに我が意を得たり、だった。

屈辱の開幕スタメン落ち

村松開人選手(C)CBCテレビ

村松にとって、2024年シーズンは屈辱から始まった。キャンプから順調に調整し、オープン戦でも結果を残して、チームのオープン戦優勝にも貢献した。しかし、開幕スタメンの座を、育成から支配下登録されたばかりのクリスチャン・ロドリゲスに奪われた。ファンが見ても驚いただけに、村松本人の心中は察して余りあった。しかし、その悔しさをばねにして、4月初めにスタメン起用されると村松は打ちまくった。大学時代に躍動した神宮球場では、面白いようにヒットを量産した。

キャプテンシーの発揮へ

村松開人選手(C)CBCテレビ

筆者は、去年夏に球団フロント幹部と話す機会があった時、村松には明治大学主将として培ったキャプテンシーを発揮してもらいたいという願いもあって、「現状は物足らない」と感想を伝えたことがある。もっとどんどんドラゴンズを引っ張ってほしい人材だからである。その時に返ってきたのは、プロ野球のチームでは実績が大切であり、「実績なき選手は、チームを引っ張ることはできない」という答えだった。

シーズンを終えて、村松は規定打席にこそ達しなかったものの109試合に出場し、102本の安打を記録した。実績も積んだはずだ。いよいよ迎える3年目、村松がそのキャプテンシーを存分に発揮する時が来たと思う。村松が3番あたりの打順に入ることができれば、打線の流れは大いに強くなるはずだ。

ドラゴンズの長き低迷の中、その理由のひとつに、チームを鼓舞するリーダーの不在があると思う。高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)そして細川成也、「エースと4番」の姿は見えてきた。次は“束ね役”の登場である。投の柳、打の村松、明治大学の元キャプテン2人に期待し、そのリーダーシップに大いに注目したい新年である。                          
  
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。

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