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ドラ高橋宏斗投手、激動のシーズンを振り返る 若き右腕を支えたのはメジャーリーガーのある言葉だった

ドラ高橋宏斗投手、激動のシーズンを振り返る 若き右腕を支えたのはメジャーリーガーのある言葉だった
「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)

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飛躍の3年目

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

今週のサンドラ、ゲストは飛躍の3年目となった高橋宏斗投手(※「高」は、はしごだか)。3月のワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)で侍ジャパンの一員として世界一を経験。レギュラーシーズンでは1年通じて先発ローテーションを守り、自身初の規定投球回をクリアし、25試合に登板して7勝11敗、防御率2・53の成績を収めた。契約更改では年俸も3500万円から2800万円アップの推定6300万円でサイン。その成功の裏には、尊敬するメジャーリーガーから贈られた言葉にあった。

憧れのメジャーリーガーから贈られた言葉

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

侍ジャパン最年少で世界一に貢献した高橋投手。そんな高橋投手が今シーズン前に対談したのが憧れのメジャーリーガー、前田健太投手だった。緊張の初対面、前田投手への想いを手紙にしたためた。

高橋投手「前田健太様 冬のひだまりがことのほか暖かく感じられる寒冷の候…」

それは明らかにネットの文例集から拾ってきたような文言。苦笑しながらも高橋投手の真面目さを感じ取った前田投手は質問ひとつひとつに対し、丁寧に答えていった。この時、前田投手からもらったアドバイスがプロ3年目を迎える高橋投手の支えとなった。

今シーズン、プロ入り3年目であっても、実質一軍は2年目となる高橋投手。“2年目のジンクス”への不安を抱いていた。前田投手が広島カープ在籍時、2年目で9勝を挙げ、3年目もフルシーズン一軍で投げ抜き8勝した実績をどこか“自分に似ている”と感じた高橋投手。なぜ高卒3年目で成績を残すことができたのか。シーズンに向ける心構えなど質問をぶつけた。経験者・前田投手の導き出した答えはシンプルかつ先発投手にとって当たり前なものであった。

“苦労しろ!! 1年間ローテは必ず守る”

前田投手「1年間初めてローテ-ションを守り通す、規定投球回数を目指すとなった時に必ずしんどい時があります。打たれても調子が悪くても必ず修正して、絶対二軍に落とされない、絶対ローテーションから外されないことが大事。しがみついてでもしっかり1年間一軍で投げ抜いて欲しい」

その時から忘れることなく高橋投手が意識したのは1年間ローテーションを守り抜き、規定投球回数クリアすることだった。

チームメイトからの“救いの助言”

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

そして始まった2023年シーズン。WBCからの凱旋登板となった4月6日、バンテリンドームで行われたスワローズ戦で早速勝利投手に。しかしここからおよそ2か月もの間、勝ち星から見放された(7試合に登板し、0勝6敗)。

高橋投手「侍ジャパンで戦ったメンバーのみんなが勝っているなという焦りもありましたし、ストレートをもっと強く強くということを思い過ぎて、悪くなっていきました」

そんな高橋投手を救ったのはチームメイトの助言だった。

高橋投手「(小笠原)慎之介さんだったり、柳さんから“投げている球自体は悪くないんだから、信じてやり続けろ。勝っていないから何かを変えないといけないわけではない。ブレないものをしっかり持て”と言われましたね」

約束を果たした規定投球回達成

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

6月に入ると、ストライク率が向上、フォアボールが減った。交流戦では侍ジャパンのチームメイト、バファローズ宮城大弥投手を相手に一歩も譲らぬ投手戦を繰り広げ、7回無失点。そして自己最多となる13奪三振をマークした(6月4日バンテリンドーム)。そして次戦となった6月13日、バンテリンドームで行われたマリーンズ戦でプロ初完投初完封という大仕事をやり遂げた。

高橋投手「(ストライクゾーン)の四隅を狙うのではなくて、ベース板に強い球を投げることだけを意識しました」

勢いそのまま、球団史上初となる交流戦防御率0.00と完璧なピッチングを達成すると、シーズン後半も先発ローテーションを守り続け、チームトップタイとなる7勝を挙げ、奪三振数はリーグ2位の145個を奪い取った。10月1日、横浜スタジアムでのベイスターズ戦で念願であった規定投球回に到達。前田投手との約束を果たした。

高橋投手「数字的に見れば、ストレートのスピードが後半になるにつれて落ちていった。意図的ではあるのですが、できることならしない方がいいので、そこに関してはすごく苦しかったですね。1年間ローテーションを守り抜くという気持ちだけは常に持っていました」

前田投手が初めて規定投球回に到達したのは、プロ3年目。4年目には15勝を挙げ、投手三冠と沢村賞を獲得し、エースへの階段を駆け上がっていった。

果たしてドラゴンズが誇る若き右腕はいかなる成長を見せるのか?課題は自らも認める“スタミナ不足”。今年は1シーズンなんとか体力が持った。しかし来シーズンは持って当たり前。自分が思い描く“強いストレート”を投げ抜く力を身に着けなければならない。そしてその力がついた時、憧れの存在を抜く瞬間を迎えるはずだ。

がんばれ高橋宏斗!
がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!

竹内 茂喜

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