ベンチがオレの主戦場!小田幸平が魅せた“控えのプライド”サインを盗む?クセを盗む?それともご飯をつまみ食いする?
CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」燃えドラch
川上・吉見のWエース対談 小田幸平後編
中日ドラゴンズの川上憲伸さん、吉見一起さんのWエース対談!
今回も前回に引き続き、ぶーちゃんと呼ばれることを嫌がる小田幸平さんの後編!投げやすいキャッチャーと持ち上げられたかと思いきや、サインの出し方が淡泊!とまさに言いたい放題のご両人!“話すネタある?”と言いながら、爆笑ネタばかり!今回も笑わずにはいられない!?
貴重なるホームラン2本
小田幸平さんの生涯成績を軽く紹介しますと、
実働年数17年間で、371試合に出場、630打席に立ち、112安打、本塁打2本、45打点、132三振。
あらためて記録よりも記憶に残る名選手であったとわかります。
川上『あいつは野球のプレー以外ですごく活躍していたよね?』
吉見『そうですね。ボク、小田さんがホームラン打っているところ見たことないんですよ』
うむ、確かに記憶がないな。
川上『十何年間やってきて、ホームラン2本はギネスもんですよって、勝ち誇って言ったからね。風に乗った横浜スタジアムと、ドラゴンズが1イニング3発打った時あったじゃない?』
それは2013年8月28日、神宮球場で行われた対ヤクルト戦のこと。
クラーク、高橋周平に続き、通算2本目となる三者連続ホームランを放った。
ちなみにプロ初ホームランは横浜スタジアムでなく、東京ドーム。
風に乗ったホームランかどうかは知る由もない(笑)
吉見『あー!ありました!その時に絡んでいるんですね!』
川上『もう2発打たれて、ピッチャーは頭がピヨピヨもので、そのついでに打っちゃったみたいなホームラン(笑)』
控え選手の鑑
嘘か誠か。
小田さんは中日スポーツの星座占いを愛読していたという。
吉見『小田さんが何座か知らないんですけど、占いを見て、いつもドーム来る時の服の色を決めていると。例えば、今日のラッキーカラーが黄色だと知れば、何かしら黄色が入った服を着てきたと言ってましたね』
川上『あっ!分かった!違う!違う!パンツの色やない?』
吉見『えっ、パンツっすかね』
川上『いや、Tシャツ!Tシャツ!』
吉見さんの心の叫びが聞こえた!
“どっちやねん!”
川上『たしかね、五色持っていて、カープ戦の時は赤、ジャイアンツ戦はオレンジ着てるとか、そんなんやってなかった?』
吉見『ああ、それもありましたね!』
ペットボトルを並べることといい、小田さんって、一見無頓着そうなイメージに見えそうですが、意外に神経質というかゲンを担ぐ人なんですね!
吉見『また小田さんって、ドーム来るのが、めちゃくちゃ早いんですよ』
川上『時間あるもんね、あいつ。暇人やからね』
さらっと軽くディスり。
川上『そもそもスタメン出ること無いのに』
動画を見ると、悪い顔してます!憲伸さん(笑)
吉見『チームの為を思ってですよ!チーム愛ですよ!(笑)』
川上『ほぼほぼ相手のサインを盗むか、クセを盗むか。サロンでご飯をつまみ食いするか…』
吉見『野次言うかですよね(笑)』
控え選手の鑑じゃないですか!涙出てくる!
もちろん笑い涙ですが!(笑)
憲伸さんの“小田幸平思い出話”は尽きない。
練習後、こんなやりとりもあったそうだ。
川上『練習終わってベンチ裏へ下がって来た時、“ケンちゃん、ケンちゃん”って嬉しそうな顔で“今日ひつまぶしあるよ!もう、早目に取らんと”って言うわけ(笑)』
吉見『そういう情報は早いんですよね!』
川上『調子いい時は、わざわざ持ってきてくれる時もあったから(笑)。“もうあかんでこれ以上取りに行ったら”とか言って』
吉見『言いますね!言いますね!』
川上『分かっているけど、なんでお前が取ってくんねん!ってね。ああいう情報とかさ、クセ盗んだり、自分の“生き方”が上手だよね』
吉見『上手いです』
ベンチになくてはならない“ペット”
笑いネタとして話はするものの、小田さんの貢献が高かったことも忘れない憲伸さん。
決してフォローも忘れない。
川上『でもね、本当に役には立つんだわ。結構情報くれるし。スパイ的なことができる。対戦チームの弱点とか。“ケンさん、知ってます?あいつ今、絶対足首悪いっすから”とか、“塁出ても、絶対盗塁はないはずですから。でもこれ絶対内緒よ!”とか言って』
吉見『ありがたい情報ですよね。でもそれって、聞いた相手からも“絶対言うなよ”って貰った情報をしゃべってますよね』
川上『そうそう、しゃべってる!(笑)。でも、やっぱりチームには(小田幸平のようなタイプは)必要だね!』
吉見『小田さんが引退していなくなって、ベンチの雰囲気も全然変わりました』
川上『寂しくなるよね。ペットがいなくなった的な。ベンチにね』
ペット!
言い得て妙!
吉見『小田さんがいなくなって、亀澤とか平田が頑張ったんですよ』
川上『ちょっと幸平とは違うじゃん』
冗談を飛ばし、ベンチの雰囲気を和ませる。
ちょっとした会話で選手の調子を読み、試合に活かす。
そんな小田幸平さんのようなコーチ、選手が今、ドラゴンズにいないのが正直寂しい。
コーチとしていつか是非戻ってきてもらいたいですね!
男気あふれた“ゆでだこ”
レギュラーとして活躍することはできなかったが、チームへの貢献という点では欠かすことのできない存在だったと吐露する吉見さん。
憲伸さんも笑い話を交えながら、小田さんへの感謝の念を述べた。
川上さんが引退間際の話。
夏場の二軍戦、場所は暑さが厳しい北神戸。
普段、そのような状況下では決してマスクを被らない(?)小田さんが憲伸さんの登板ならばと、志願して出場したそうだ。
川上『幸平、付き合ってくれてさ。クソ暑い夏場なのに“ケンさん、今日はボクも一緒にやりますわ!頑張ってくださいよ!”とか言ってくれたわけ。そしたらスッコスコにやられてさぁ。挙句の果てに投げてもホームへ届かないようになってきて。幸平も見たら、ゆでだこ状態になっていて(大爆笑)』
吉見『北神戸、めっちゃくちゃ暑いですもん!なめたらアカンですよね!(笑)』
“最後がんばるわ!”どころか、もうモウロウとしていたマウンド上の憲伸さん。
だが、相棒の小田さんも負けず劣らずの“ゆでだこ”状態!
前編で紹介した小田さんの意味不明なるサイン話がここでも発揮(?)されたのであった。
ランナーが1、3塁の時は、キャッチャーが一球一球、ホームベースの前まで出て、ピッチャーや野手に向けてサインを出さなくてはいけないファームのルールがある。
しかし猛暑の中ヘロヘロで、パニックっていた小田さんにはそんな余裕などこれっぽっちも残ってはいなかった!
ゆっくり右手で左手の腕を触って、左肩を触り、右肩を触ったと思ったら、両手を横に開いて、なんと“お手上げ”のジェスチャーを憲伸さんに披露!(笑)
川上『オレ思わず、幸平をマウンドに呼んで、“(このサイン)これ毎回やらなアカンのか?”と聞いたら、“オレだってやりたくないわ!”ってキレられた(笑)。“アンタがピンチ作らんかったら、こういう事にならんのやっ!しっかり抑えろよっ!”と言われたけど、また“お手上げポーズ”も見てみたいしなぁとか思って(笑)』
吉見『(笑い過ぎて)アゴ痛い!』
目をつぶると、ゆでだこ小田さんが睨みつけている(笑)
“お前、笑い過ぎや!”と(笑)
川上『彼、たぶんこれチェックするんだわ』
吉見『すぐ電話かかってきますよ』
川上『“何ばらしてんねん!”って(笑)』
(竹内茂喜)