7年連続Bクラスから優勝を狙うドラゴンズへ 井端弘和が打順の秘策を提言!
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後16時24分から東海エリアで生放送)を見たコラム
今週のサンドラでは、春季キャンプが行われている北谷球場から生中継。
与田監督の2020シーズンに向けた眼差しを追っていく。
キャンプスタート!トップスピードでまくしたてるベテランの奮起
与田剛監督がキャンプ初日にこう明言。
『このキャンプで1番期待しているのはベテラン。(彼らが)自ら引っ張っていくチームにしていきたい。』
与田監督は、昨年大復活を遂げた大野雄大投手を開幕時から励まし奮起を促すなど、選手のモチベーターとして、自覚を持ってそう発言したのだろう。若手投手の台頭が見られる中、やはり優勝を目指すにはなくてはならないのはベテランの存在感なのだ。そしてその言葉に応えるように、ブルペンに一番最初に現れたのは球界最年長の山井大介投手と、ドラゴンズ投手陣では2番目に年長の吉見一起投手だった。
山井投手は昨シーズン3勝にとどまり、本人の納得いくような投球がなかなかできなかったと契約更改でも振り返った。しかし、その時の言葉を借りれば、”壊れてもいいぐらいの気持ちで打者と勝負したい”と語っており、シーズンオフも休むことなくトレーニングに明け暮れた。そんな中、キャンプについての意気込みを爽やかにこう言い切る。
「僕が良ければ、他のヤツ(投手)はもっといいと思うんで、監督の期待を裏切らないように頑張りたいと思います!」
吉見投手は、昨シーズン本拠地ナゴヤドームの固くなったマウンドの対応に苦心し、シーズンを終えた。その最大の課題を乗り越える準備をして、キャンプに入った今の心境についてこう話す。
「地面からうまく力をもらって指先に伝える。自分では克服できていると思っているんで。監督がそうやって(ベテランへの期待を)言ってくれている期待に応えたいなと思います。」
両投手ともに今シーズンは、後がない覚悟を持って挑む状況となるだろう。実力や経験は織り込み済みなだけに、悔しい想いを胸にそれを上回る結果を叩きつけてくれることを期待したい。もちろんその為には、ベテランを刺激する若手投手の頑張りが必要不可欠であろう。
ベテランに負けていられない!それぞれのテーマを持った投手たちの意気込みは?
このキャンプでは、選手それぞれのテーマを持って調整している。投手陣では一軍キャンプに抜擢された2人のルーキーに、即戦力の期待がかかっている。そんな選手たちの意気込みを紹介する。
大野雄大投手 「紅白戦の登板はとりあえずはなしでという話になりました。キャンプ中はストレートの質、強さを求めていって、前に弾き返されないようなストレートをつくり上げていきたいと思います。」
柳裕也投手 「(キャンプのテーマは?)今年もやるぞというのをアピールしたい。(今年のほうが責任感がある?)昨シーズンよりも全然プレッシャーがある。」
ゴンサレス投手 「(ブルペンでは)自分が投げたいところにコントロールできたのが良かった。」
橋本侑樹投手 「バランスよく、指のかかりを意識ながら投げられた。一軍でやらせていただいているので、しがみついて開幕一軍を目指してやっていこうとおもいます。」
岡野祐一郎投手 「モチベーションが上がった状態で投げることができました。即戦力として獲っていただいたので、チームの戦力となっていきたいと思います。」
実戦でどこまで力を発揮できるかが楽しみな選手たちだが、とにかく去年のようにケガなどで離脱していくことなく、キャンプを無事終えてほしいというのもファンの切なる願いである。
レギュラー格の選手は早くも臨戦態勢?野手たちの意気込み
今シーズンは、オリンピックの関係でセ・リーグ開幕が早まるため、野手の調整も早いように感じる。しかし、焦ってシーズン半ばで離脱というのがチームにとっては痛手だ。コンディションに注意を払いながらも、身体はしっかり仕上がってるなと思わせる選手たちのコメントを紹介する。
阿部寿樹選手「(テーマは)怪我をしないこと。バットをしっかり振ることを考えながらやる。」
ダヤン・ビシエド選手「シーズンへ向けしっかりとコンディションを整えることが一番大事だと思っている。」
平田良介選手「テーマは一日でも早くピッチャーの球に慣れること。いつでもシーズン行けるぞっていうところまで持っていければ理想かなって思ってます。」
大島洋平選手「一年間戦い抜くための体をつくることがテーマなので、(自主トレで)つくった体を野球になじませていく感じです。」
またルーキー野手では唯一、一軍キャンプに振り分けとなった郡司裕也捕手。さすが六大学野球三冠王といえる力強いスイングが魅力的で、フリー打撃でも快音を響かせていた。打撃にも注目が集まる中、その意気込みを語った。
郡司裕也捕手「(キャンプの1ヶ月どう取り組む?)キャッチャーのスキルをもっと上げなきゃなって。(1年目の目標は?)まずこのキャンプを一軍で完走するという目標はあります。」
最後に昨シーズン、キャンプをその人気で熱狂させた根尾昂選手。今年はそれに比べて落ち着いて対応しているようだ。内外野両方の守備練習に加え、与田監督から期待されている打撃に関しても、村上コーチがマンツーマンで特訓している。そんなハードな練習をこなす根尾選手のバッティングについて、村上コーチはこう評する。
「昨年よりもバットが振れるという感覚にはなっているので、そこを大事にするための準備をどうするかを(練習を)やっていこうと思う。」
バットの重量を重くしたり、平田選手とともに行った自主トレで一回り大きくなった体で、その才能を遺憾無く発揮するのは、もう少しだろう。
投手王国復活の道筋に迫る!
ピッチャーの構成について、井端氏が提案する現時点の主力陣容は以下の通りだ。
先発:柳、梅津、大野、小笠原、ロメロ
中継ぎ:祖父江、鈴木博、福、岡田、ゴンサレス
抑え:藤嶋、マルティネス
与田監督いわく、昨シーズンは中継ぎに負担をかけることが多かったので、先発には規定投球回を投げてもらうのが目標。抑えは、マルティネスが代表戦で抜けることを考えてゴンサレスや岡田、鈴木博の奮起に期待している。まずは、体の準備ができているピッチャーを使うが、その後には経験が物を言うので総合的に決定していく。そして開幕投手については、名前は出さなかったものの、どことなく決めたピッチャーがいるのではないかと匂わす口ぶりだった。最終的にある程度逆算して考えると、3月上旬には決定する見込みだ。キャンプでは、開幕を意識してか、マツダスタジアムと同じ仕様になったマウンドで投げ込んでいる大野投手が有力視されるが、果たしてどうなるのか。
”1番センター根尾!”井端秘策の打順を提案する!
1 中 根尾
2 右 平田
3 三 高橋
4 一 ビシエド
5 二 阿部
6 左 大島
7 遊 京田
8 捕 加藤
9 投 梅津
井端氏は、昨年と違うということを他球団にもアピールしていく起爆剤として、1番に根尾選手を指名。また守備位置については、いつか大島選手がセンターを守れなくなるときが来る。その時にセンターに根尾選手を起用するなら、最初からセンターで出すほうがいいと言う考えだ。与田監督も、実はそんな打順も頭に入れていると答えた。センセーショナルな打順と思いきや、打撃の調子次第ではこれも実現されるかもしれない。そして若い選手をどんどんゲームに出す為にも、監督自身が勇気を持って使っていくことも必要と明言した。
京田、阿部の二遊間は実質昨年がコンビを組んで一年目なので、今年はそれ以上のものが見れるのではないかと、井端氏は語る。石川もその脅かす存在になれる資質は十分にある。レギュラー陣を脅かす存在をと発破をかける意味で、与田監督に向けても、ファームで牙を研いできた選手たちの活躍も期待したい。キャッチャーは全員にチャンスがある。郡司捕手も魅力はあるが、未知数なので実戦を重ねる上で見極めたいと、井端氏は話す。それぞれの魅力を出して、正捕手を奪取してほしい。
石川昂弥選手の新コーナー「石川だがや!」
名古屋ローカル感をド直球に感じさせるタイトルで、石川選手の特集コーナーが誕生した。周りの思いが日々高まるなかで、57スイング中、柵越え15本という各球団助っ人外国人を含めても、レベルの高い長打力を初日から見せつけた。そんな中、自分をぶれずに持っているなと感じさせるコメントが印象的だ。
「プロに入って新しく聞くことも多いですし、すごくいい勉強になっているなと思います。早く一軍に上がれるようにやるということを今はやるしかないので、しっかりと自分を追い込んでやっていきたいなと思います。」
与田監督も、打球の角度が20~30度くらいなので、ホームランバッターの打球だと改めて感心していた。また井端氏は、上がりすぎても飛距離の出せるバッターだと絶賛。紅白戦の出場予定はないが、シート打撃を視察する予定で期待の高さが伺える。
最後に生放送ならではの若狭アナの突っ込んだ質問 ”今後補強はあるか?”に対して、与田監督はこう答えた。
「いまはまだないですね、トレードの可能性はありますが。」
この発言もしかり、まだまだ何が起こるかわからない中で、シーズンインに向けて一つの目標を胸に動き始めたドラゴンズ。これからやってくる球春を前に、熱い萌芽を感じつつ、まだ肌寒いこの季節にしっかりとその発育の痕跡を見守っていきたい。
澤村桃