【前編】聴覚障害のある医師のドキュメンタリー 音のない世界でどう診る? 新型コロナ…「マスクだらけは困ります」ナレーションにも挑戦
2020年11月8日放送
ドキュメンタリー 「よりそい 2020秋篇 ~静寂と生きる難聴医師」
ナレーション:今川竜二医師(本人)取材:CBCテレビ 原誠
私が尾鷲総合病院の内科医・今川竜二先生(34)と出会ったのは2017年。三重県尾鷲市で耳の聞こえない医師が活躍していることを知り、取材を依頼すると快く応じてくださいました。
両耳とも飛行機のエンジン音がようやく聞こえるくらいという先天性の難聴ですが、相手の口の動きを読み取る読唇術で会話します。
今の時代、電子カルテに目を向けっぱなしで診察する医師も見受けられる中、今川先生は口元を見るために、患者にしっかり向き合い、思いを聞きます。
その姿に、患者の皆さんは「ちゃんと診てくれて安心します」と称賛の声。
医師のあるべき姿を見たような気がしました。一方で、障害のある今川医師を支えようと、同僚の看護師が手話を一から覚えたり、患者が病状をあらかじめ文字にして伝えたり、周りの優しさも目にする場面が多々ありました。
取材中、(果たして自分は、普段、人に優しくできているのか?)と自問自答することもありました。
“新型コロナウイルスの時代”…人と人との距離が遠ざかる中でも、優しさは持ち合わせていたい…このドキュメンタリー番組を見ていただいた皆様にもそう思って頂けるとうれしいです。
*第一弾「よりそい ~静寂と生きる難聴医師」は2020年「地方の時代」映像祭 選奨を受賞
放送日:2020年11月8日制作:CBCテレビ報道部