【リアルな高校生活】自ら育てた豚を食べる…『命』学ぶ生徒たちが語る“いただきます”の深さ
三重県伊勢市にある県立明野高等学校。農業や食品さらには福祉まで、特色ある5つの学科で学ぶことができます。
三重県立明野高校生産科学科に“向かい”ます!
その中で主に農産物について学ぶ、生産科学科畜産専攻の生徒のもとへ、お笑いトリオ・パンサーの向井慧さんが“向かい”ました!
生徒達が育てているのが、地元のブランド豚『伊勢あかりのぽーく』。出産から出荷まで豚の飼育に関わる全ての作業を、畜産専攻の生徒達で行っています。なんと今年の夏、JALの機内食にも選ばれたんだそうです。
パンサー向井さん:
「豚以外にも飼育してるんですか?」
小屋敷さん(3年):
「採卵鶏を育ててます。明野高校の販売所で販売してます」
学校の敷地面積は三重県No.1!果樹園や水田、茶畑まで生徒達が管理しているんです。
そして伊勢あかりのぽーくの豚舎では約70頭の豚を飼育。食の安全や衛生管理を徹底している農場に与えられる「JGAP認証」を全国の高校で初めて取得しました。
パンサー向井さん:「豚の世話も全員で?」
小屋敷さん:
「はい。朝の餌やりと夕方の餌やりは当番を決めてやってます」
餌は、70頭という少数での飼育に合わせた自家配合。環境にも配慮し、地元のビール工場で排出された酒粕や、製菓工場から出る菓子くずを合わせているんです。
小屋敷さん:「(あかりのぽーくを)食べてみますか?」
パンサー向井さん:
「いいんですか(笑) 複雑な気持ちだけどね、こういう話を聞いた後だと…。でもそれも大事だよね、命をつなぐっていう意味ではね」
みんなが愛情込めて育てた豚肉。脂のうま味がよく出るとオススメの、焼肉のお味は…?
パンサー向井さん:
「うま!めちゃくちゃうまい!甘みが分かる。脂身があってもさっぱりしてる、後味が」
日も傾いてきたので、みんなでご飯タイムに。自分達で育てた、あかりのぽーくの味に生徒たちの顔もほころびます。
パンサー向井さん:
「俺は出してもらって食べてるだけだけど、みんなは実際に飼育して食べるから、違う気持ちはあるよね」
小屋敷さん:
「食べる前の『いただきます』っていう気持ちと、食べてから『あっこんなにおいしい豚に育ってくれたんやな』っていう気持ちとか、色んな気持ちがあります」
パンサー向井さん:
「いただきますも、ごちそうさまも、より深く感謝するよね…」
入学の理由を聞いてみると、中学生の時の“農業体験”が楽しかったからという生徒や、動物が大好きで授業で触れ合えるからという生徒まで様々。
パンサー向井さん:
「命について、より考えたりするよね。実習も大変?」
辻さん(3年):
「分娩解除とかですね。子豚には産まれた時に膜がついているので、それをとって呼吸させてあげます」
パンサー向井さん:
「そういうのも全部自分達でやるんだ。責任ある作業だねぇ。将来の夢とかは?」
海野くん(3年):
「東京五輪に、この伊勢あかりのぽーくを出すのが近い目標です」
山本くん(3年):
「畜産関係の卸売業をやりたいです。食肉処理をしてから受け取る仕事に就いて、大きな家を建てたいと思ってます、東京に(笑)」
今回の取材で感じたこととは…?
命と毎日向き合っている生徒たちと触れ合い、皆さんが育てた豚を一緒に食べた向井さん。今回の取材で感じたこととは…?
パンサー向井さん:
「すごいなと思いました。あの年齢で命を預かって命の大切さをちゃんと学んで。普段我々が何気なく食べてるものに、ちゃんと感謝しながら食べなきゃいけないなと学ばせていただきました。素晴らしい色んな授業、私も教わることが多かったです」
三重県立明野高校生産科学科畜産専攻の皆さん、ありがとうございました!