三河湾を望む「灯台テラス」がオープン!1日1組限定の絶景宿も 愛知県・三重県で進む老朽化施設を“眠らせない”リノベーションとは

愛知県と三重県で、地域の古い施設を新たな観光資源として活用する取り組みが始まっています。灯台を活用したテラスや、真珠養殖場を改装した宿泊施設など、地域の魅力を引き出す試みを取材しました。
灯台テラスで三河湾の絶景を一望 観光客増加に期待

愛知県蒲郡市の西浦温泉にあるホテルたつきでは、三河湾の絶景を一望できる新しいテラスがオープン。テラスの魅力を引き立てているのが、隣接する高さ14メートルの橋田鼻灯台です。
(ホテルたつき営業支配人 嶋﨑眞宏さん)
「下の遊歩道からも見えない。ホテルたつきに来ていただくと見ることができる、非常に変わった灯台です」

嶋﨑さんは灯台の管理人も務めており、海上保安庁の「航路標識協力団体」として灯台の掃除や管理を担当しています。これにより、灯台を観光資源として活用できるようになりました。
土日には灯台の見学会も開催されており、地元住民や観光客に好評。西浦温泉の観光客数は1990年代の年間60万人以上から2022年には約13万人に減少していますが、この灯台テラスをきっかけに、再び人を呼び込むことが期待されています。
(ホテルたつき営業支配人 嶋﨑眞宏さん)
「地元の人でもここに灯台があるというのを知らない人が非常に多かった。まず地元の人に知ってもらって、そして一度来ていただく。県外、それから全国の人に来てもらえるようにしていきたい」
真珠養殖場を「1日1組限定」の宿泊施設にリノベーション

三重県志摩市の英虞湾にあり、かつて真珠養殖場の休憩所だった建物を改装した宿泊施設「うみらぼ」。1日1組限定で、英虞湾を眺めながらサウナやバーベキューを楽しむことができます。
(うみらぼ代表 川野晃太さん)
「家族が代々真珠養殖に携わっていて、私が3代目の代。祖父母・父母がここで働いていたので、私はここで育ててもらった。幼い頃の記憶は海の上や、真珠養殖場が遊び場みたいな感じでした」

英虞湾では全盛期に1300軒もの養殖場がありましたが、後継者不足や海の環境の変化などにより廃業が相次ぎました。川野さんは荒廃した施設を見て、「さみしさやもったいなさ」を感じたといいます。
そこで、友人らとともにリノベーションに着手。真珠小屋の面影を残しながら、2024年4月に宿泊や企業研修ができる施設として生まれ変わりました。トイレの屋根には養殖に使っていた「いかだ」を、屋外のライトには「浮き」として使われていた「ビン玉」を再利用するなど、地域の歴史を大切にしています。

(うみらぼ代表 川野晃太さん)
「この地域にいる人と外から来る人が知恵や技術を持ち寄って、地域活性化につながる種が生まれる施設であってほしい。真珠に代わるイノベーションを起こすような、活気あふれる場所になってくれたらと思います」
老朽化した施設を「眠らせない」リノベーション。地域活性化の新たな手法として注目されているこれらの取り組みに、期待が高まります。
CBCテレビ「チャント!」2025年2月25日放送より
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