詰め放題が無料?オマケしすぎる小さな青果店 安さの秘密は野菜への深い愛
店で買い物をすれば、果物を袋いっぱいに詰め放題で「タダ」でもらえちゃう?最近の値上げラッシュに逆行するような大盤振る舞いをする「八百屋のケンちゃん」。ワクワクを届けたいという青果店の安さの秘密と店主の思いに密着しました。
500円の新鮮野菜、たった1日で50円に割引!?
岐阜県の土岐インターから車で7分のところにある「八百屋のケンちゃん」。キャベツ1個100円、小松菜がサービスタイムだと50円など驚きの値段です。そんな野菜を格安で販売しているのは『白眼鏡のにーちゃん』こと、店長の梅原卓郎さん(30歳)です。
「八百屋のケンちゃん」の「ケンちゃん」は、土岐市周辺に広大な畑を持つ農家さん。自家栽培の野菜を、作り手の思いと一緒に、直接お客さんに届けたいとの思いから、6年前に小さな直売所をオープンさせました。
直売所の野菜は評判となり、お客さんが入り切らなくなったため、3年前にリニューアル。自家栽培の野菜や市場から仕入れた青果を採算度外視の格安価格で販売しています。
(八百屋のケンちゃん・梅原卓郎店長)
「野菜を作る大変さを知っているからこそ、本当に商品を大事にする」
売り場にたった並べられて2日目になると、傷みが一切なくても500円だった商品が50円になることも。早く見切るのは、まだ新鮮さが残るうちに食べてほしいからです。
袋詰め放題やプレゼントで地域の人にとっての「お祭り」にしたい
この日の目玉イベントはグレープフルーツの袋詰め放題を先着30人に無料でプレゼント!さらに優勝者にはシャインマスカットまで。他にも「八百屋のケンちゃん」では突如始まる2時間ごとのタイムセールや驚きのイベントが満載です。
(八百屋のケンちゃん・梅原卓郎店長)
「コロナ禍でお祭りがなくなって楽しみがないから、ウチの店が地域の人にとってお祭り気分を味わえる遊び場になればと」
イベントもさることながら、お客さんが驚くのは店内の狭さです。あえて狭く作ったとのことですが、その広さわずか8坪。理由は、狭いゆえにお客さんの呟きは聞き漏らしがないのです。
(お客さん)
「ミョウガなかった?」
(八百屋のケンちゃん・梅原卓郎店長)
「ありますよ!ブロッコリーの横」
迷っている人がいれば、おいしい選び方をアドバイス。狭い分、お客さんと距離が近くなれるのが強みです。
(八百屋のケンちゃん・梅原卓郎店長)
「(大根)上まで点々が付いているのがおいしいです」「(シャインマスカット)くすんで黄色っぽいのは敬遠しがちだけど、この方がおいしいの」
ガチャガチャで地域を盛り上げるきっかけに
店のレジ横には、「ケンちゃんガチャ」が設置されていました。買い物だけでなく、子どもたちも回して楽しいカプセルトイ。500円を入れると、カプセルから出てくるのはおもちゃではなく地域の店の「お食事券」でした。絶対に損がないように、500円以上の割引券や商品が当たるようになっているそうです。
例えば、近所の寿司店「甚五郎」の食事券が当たれば、ボリューム満点の海鮮丼とミニうどんのセット1560円が1060円でいただけます。スープに「ケンちゃんの畑」の野菜を使っている岐阜市のとんこつラーメン店「たから」の1000円以上のラーメンセットが景品になることも。
このようなことをしているのは、野菜を買うだけではなく、梅原店長から野菜を仕入れる飲食店にも足を運んでもらって、地域全体を盛り上げたいという思いから。
(八百屋のケンちゃん・梅原卓郎店長)
「土岐市に色んな方が出入りするきっかけの一つになればいい。『八百屋のケンちゃん』行こうか『じゃあ土岐市を回ろうか』と。『こんなことあったんだよ!』という話も野菜と一緒に持ち帰ってもらえるといい」
CBCテレビ「チャント!」10月31日放送より