キャベツは10円、ジャガイモ詰め放題は100円!? 愛知県に誕生した激安の“ワケあり青果店”とは

2022年9月26日(月)放送
キャベツは10円、ジャガイモ詰め放題は100円!? 愛知県に誕生した激安の“ワケあり青果店”とは

まだ食べられるのに、捨てられるのはもったいない!「ワケあり」と呼ばれる青果は、表面の傷や黒ずみ、熟しすぎ等で一般のスーパーなどの店頭には並べられず捨てられています。そのワケあり青果を救うべく立ち上がった男性がいます。激安で販売できる理由や男性の思いとは。

通常の青果店では考えられない激安価格で“ワケあり青果”を販売

CBCテレビ:画像 『チャント!』

2022年9月、愛知県小牧市にオープンしたばかりの、ワケあり青果の激安店「ベジブル」。

北海道産のじゃがいもが袋に詰めたいだけ詰めて100円!長野県産の小ネギが、片手で掴めるだけ掴んで50円!!小ネギは片腕で豪快に抱え込こんでもOKというルールで、中には29袋も掴み取る強者までいます。

詰め放題以外にも魅力が。それは驚きの安さ。山梨県産のピオーネが380円に、長野県産レタスは3玉で100円。キャベツはなんと1玉10円です。

(お客さん)
「キャベツが10円なのは本当にありがたい。わが家は多いのでペロッと食べちゃう」

安さの理由は表面に傷があったり、葉先が枯れてしまったり、店名の通り“ワケあり”だから。それでも、新しい商品がバックヤードから出るや否や、店員が商品を持って売り場に到着する前に飛ぶように売れていきます。

お客さんからは、「すぐに食べるから大丈夫」や「ネギの葉先が枯れていても、元々切り落とす部位だから問題ない」と気にしている様子はありません。

廃棄せざるを得ない青果を提供してもらい、激安価格を実現

CBCテレビ:画像 『チャント!』

活気ある店内の裏で、品物に激安価格を設定している男性の姿が。「ベジブル」の堀内塁社長です。

2年前、コロナ禍で飲食店の営業休止や学校給食の中止でフードロスが社会問題化したことをきっかけに愛知県みよし市に1号店をオープンしました。小牧店が2号店です。

午前4時過ぎ、堀内さんは愛知県豊山町にある北部市場に向かいます。仕入れは市場で行いますが、並べられた青果をよそ目に、仕入れに来ている他の業者に一軒一軒声をかけていきます。

(ベジブル・堀内塁社長)
「安く提供してもらえる青果がないか聞いて回っています」

鮮度が落ちてしまった桃に、大きさが不揃いで買い手がつきにくいサツマイモ、一部が傷んでしまいスーパーから返品されてしまった枝豆。市場だけをみても、傷や形の不揃いなどの理由から買い手がつかない品物が出てしまうのです。

食べられるのに廃棄せざるを得ない「食品ロス」は、日本全体で年間522万トン。ベジブルは、市場やスーパー、商社などで買い手がつかず廃棄せざるを得ない青果を格安で買い取り、食べられない部分をカットするなどして販売。仕入れ値は安くても、時間も人手もかかる作業です。

「正直な商売をしろ」祖父の言葉を胸に…あえて商品の傷を見せて陳列

CBCテレビ:画像 『チャント!』

フードロスをなくすための手間を惜しまない堀内さんに賛同し、お店に直接ワケあり食材を運んでくれる業者さんも増え始めました。大量のワケあり青果が手に入った時には、詰め放題などの限定イベントをおこなっています。

堀内さんが着ているド派手なベストには、「キンブル」という文字がプリントされています。実は、堀内さんの祖父は愛知県内に4店舗展開する激安リサイクルショップ「キンブル」の創業者。

祖父から教わった「正直な商売をしろ」という信念を受け継ぎ、あえて青果の傷を見せるような置き方で販売しているのです。

“ワケ”をしっかり見せているのは、別の理由もあります。ワケを知った上で食べられることを知ってもらえれば結果的にフードロスが減ると言います。

しかし、せっかくワケあり食材を集めても売れ残ってしまったらフードロスに。お客さんにとにかく買ってもらおうと、その日のうちに食べて欲しいものは、毎日午後2時過ぎには赤字覚悟で一斉値下げ。

さらに、鮮度の落ちかけた野菜を無料配布!売り切った商品棚には「売り切れ」の札を貼り、購買意欲を掻き立てるのです。

(ベジブル・堀内塁社長)
「(お客さんが)店に来て、安くてびっくりする反応が好きですね。お客さんは満足すると大体笑って帰るんですよ。ワケあり青果が集まれば店舗を大きくして、どんどん廃棄される青果をなくして皆さんに少しでもパピネスを提供できたらと思います」

少しでもフードロスをなくすため、これからも堀内さんの奮闘は続きます。

CBCテレビ「チャント!」9月26日放送より

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