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600キロの塩をまき散らす!? 2輌の山車を寸止め! 愛知県常滑市の春祭り「大谷祭礼」に潜入

600キロの塩をまき散らす!? 2輌の山車を寸止め! 愛知県常滑市の春祭り「大谷祭礼」に潜入

2日間で総重量600キロの塩が撒かれる中、怒号飛び交う2輌の山車を押す男たち。その山車は、わずか1センチの寸止めが要求されます。子どもたちにも、一生に一度の大舞台が用意されている愛知県常滑市の「大谷祭礼」。目や心に沁みる、汗と塩にまみれた祭りをタレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が取材しました。

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【動画】山車同士がぶつかるギリギリを攻める! 曳き手たちの誇りをかけた“寄せ”の瞬間はこちら【4分47秒~】

耳の中まで塩だらけ! 2日で600キロの塩をかけまくる理由とは

CBCテレビ:画像『チャント!』

2024年3月30日・31日に愛知県常滑市大谷地区で行われた「大谷祭礼」。2両の山車が町を練り、地元の平和を願う祭りです。「御旅所」と「八幡社」の2か所で、2輌の山車による曳きそろえが行われます。午前10時、山車を曳く男たちに塩が次々と撒かれていました。

かつては、山車の通る道を清めるために撒かれていた塩が激化しいつしか曳き手にもかけまくるように。2輌の山車が使う塩の総量は、前日の「曳き初め」と「本日(ほんび)」の2日でなんと600キロ!そんな祭りの重要な役割を担うのは、22歳の若さで祭りを仕切る大役を務める“親方”の永田悠真さんです。

CBCテレビ:画像『チャント!』

(親方・永田悠真さん)
「まず天候が晴れたことが何より良かったです」

山車を動かす時とは打って変わり、丁寧な言葉遣いと朗らかな笑顔が印象的です。

(親方・永田悠真さん)
「親方は統括する立場、責任が伴う。自分が楽しむというより、渇をいれて(みんなが)『やたるぞ!』という気持ちになれば、山車も動く。(Qあえてその役を買う?)そうですね」

中学生の頃から500円玉貯金で貯めた30万円を使って特注した、気合いの衣装に身を包み、檄を飛ばします。

2輌の山車の隙間は指一本分! 祭り一番の腕の見せ所“寄せ”とは

親方に引っ張られて進んでいた山車は、「御旅所」に到着。ここで祭り一番の見せどころである、山車の寄せが行われます。

(親方・永田悠真さん)
「山車の上部を1センチだけ離す」

山車の曳きそろえは隙間が狭ければ狭いほど美しいとされ、わずか1センチまで接近させる幅寄せに挑戦します。

(山車を曳そろえる男)
「精いっぱい引っ張って、精いっぱいくっつける」

大谷男たちにとって、プライドをかけた瞬間。2輌の山車を何度も、押しては引き、ジリジリと幅を寄せていきます。寄せ過ぎてぶつけることは決して許されないため、親方の指示で切り返すタイミングが命です。

CBCテレビ:画像『チャント!』

大歓喜の中、塩がまき散らされ、見事ぴったり幅寄せされた2輌の山車。その隙間は、指一本分で、大成功を収めました。続いて行われるのが、町の男子小学生が「大谷男」として認められる大舞台。子どもたちは整列した山車の中から、3人一組で1体の人形を操る「三番叟(さんばそう)」を披露します。

担い手不足で例外の年もありますが、基本的には一生に一度しか参加できない晴れ舞台。今年は小学校高学年の9人が参加しました。狭い空間に3人がひしめき合って、15分ほどぶっ通しで行われる演舞。ゆったりと舞う涼し気な人形に対し、子どもたちは必死です。

就職を機にこの地を離れる親方…地元住民として最後の「大谷祭礼」

CBCテレビ:画像『チャント!』

「御旅所」での「三番叟」が終わると、山車は「八幡社」へ向かいます。無事2カ所での曳きそろえも終了。夜は、山車に吊るされた提灯の灯りと共に、町を一周しました。

寺坂くんが今回最もアツいOMATSURIちゃんに選んだのは、愛のムチで祭を仕切る“親方”こと永田悠真さん。あとは車庫に帰る山車を撮影し、手形をもらおうとしたところ、悠真さんが見当たりません。実は…。

(親方・永田悠真さん)
「4月から東京に引っ越して、東京で働きます」

悠真さんは就職のため、この日の夜から東京に向かわなければならなかったのです。これが地元住民として参加する最後の「大谷祭礼」でした。

(親方・永田悠真さん)
「(Q名残惜しさは?)もう、やりたいばっか。ウズウズしてくる」

最後に、アツい気持ちを込めた手形が刻まれました。

CBCテレビ「チャント!」4月10日放送より

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