その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている！　その町で生まれ、根づく愛されフード。ＣＢＣの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。 今回は、『岐阜県八百津町(やおつちょう)』の『石焼きホルモン』です。

八百津町で唯一の焼き肉店 溶岩プレートの登場にまず驚く！

町で聞き込みをすると、『石焼きホルモン』は溶岩プレートで焼く、醤油味のアッサリ系豚ホルモン。『絆（きずな）』という店で出していて、辛さ増量などの要望も聞いてくれる、八百津町民の憩いの場なんだそう。

おじゃました『石焼き亭 絆』は、２０年愛され続けている八百津町で唯一の焼き肉店。『石焼きホルモン』の登場を待っていると、まず出てきたのが“溶岩プレート”。そして、タレがたっぷりの豚ホルモンです。卓上コンロで熱しつつ、自分で焼くスタイルで、「醤油の香ばしい香りがものすごく来ますね！」と香りを楽しみつつ加藤アナが味わうと、プリプリ感と歯応えの良さを感じます。

洗濯板と洗濯ネット⁉ 臭みのないホルモンの秘密

この店では、小腸・大腸・直腸・胃袋の４種類のホルモンを使用。加藤アナが醤油の味付けに「結構甘みを感じる」と言うと、砂糖は一切使っておらず、タマネギの甘みだけだとか。

この『石焼きホルモン』に欠かせない、ご主人お手製の秘伝の醤油ダレは、地元・八百津町産の醤油をベースにして、ペースト状のタマネギとニンニクに和風だし、そして、あらびきの一味を加えて煮詰めたもの。

溶岩プレートを冷めない程度に弱火で温めて焼くと、醤油のうま味が焦げずにホルモンに染みるのだとか。実は、ご主人も奥さんも焼き肉店で修業をしたことがなく、ホルモンの下処理も自己流でしています。素人だったからこそ思いついたという、臭みを取るための秘密兵器を奥さんが見せてくれました。それは“洗濯板と洗濯ネット”で、ネットにホルモンを入れて、まさに洗濯板で洗濯をするようにゴシゴシと洗います。皮をなめすように、ホルモンがやわらかくなる効果もあるとか。加藤アナもその工夫にビックリしました。

特売日のホルモンを使い、療養中の主夫生活で生まれた味！

以前は、洋服関係の仕事をそれぞれがしていたというご夫婦。ご主人は、スーツの仕立て職人を経て、サラリーマンも経験。しかし、４９歳の時、心疾患が見つかります。退職して、自宅での療養が２年ほど続いた中、夕食を作ることがご主人の仕事となりました。毎週土曜日には特売で買ったホルモンが登場。味がついてないホルモンにご主人が味つけをして、食卓に出したのが始まりです。その後、現在のタレを開発し、桜島の溶岩プレートにも出会い、ジュ～っと焼ける醤油の芳醇な香りと遠赤外線効果でジューシーさが際立つ、新しいホルモンの食べ方を作り上げました。そして、家族の協力のもと『石焼き亭 絆』を創業。のちに、地元民が選ぶグルメコンテストで優勝し、名実ともに八百津町民の愛されフードとなりました。

（ＣＢＣテレビ「チャント！」９月１４(木)放送より）